原案者・夏原武氏による 連載コラム 【『正直不動産』取材こぼれ話】

【『正直不動産』取材こぼれ話 第9回】
ワンルーム投資に求めること
過日、ワンルーム業者の集まりで、お話させていただく機会があった。
会場には多くの業者の方々が参集していた。
ワンルームマンション投資は、不動産投資の入り口といった感じで受止められているし、それでいいと思う。ただ、初期の投資勧誘は決して誉められるものではなかった。
筆者も実際に何回か電話勧誘を受けたことがある。内容について詳しくは触れないが、要するに「安定した資産」「安定した収入」「ローン代金は家賃で払えておつりが出る。しかも最終的にはあなたの資産」こんな感じだ。
投資全般に言えることだが「だったらあんたがやれば?」といった感じを受ける人も多いだろう。
ワンルームマンション投資(だけではないが)の場合、マンションを建てて、その部屋を投資物件として売ってしまえば、そこで利益完了なのである。本当に儲かるのならば、デベロッパーなり仲介なりが、賃貸物件として保有するに決まっている。
それを敢えて売り出すということは、収支見込みが不安定だからである。
自分たちの利益は確定させておいて、リスクを他人に押しつけるというわけだ。
現在では、そうした悪質な勧誘をする業者は減っている。集まりに参加された方々は、業界の健全化を求めているわけで、強引な勧誘やリスク説明のない勧誘などは行っていない、はずだ。そこで私が強く求めたのは、やはり宅建士資格を持った営業マンにしてほしいということだ。
法律職であることは、相手の信頼や安心を得られることもあるが、何よりも責任を負う立場になるのである。
ただ、残念ながら宅建士には「宅建士会」という、弁護士会や司法書士会といった団体が存在しない。
そのため、懲罰規定が設けられていない。自治組織としての懲罰規定があれば、悪質な勧誘や営業はできなくなるのだ。
また、安定投資の一つとして不動産投資を考えるのであれば、金額的にワンルームマンションは対象になる。
入り口にもなる。だからこそ、そこに嘘があったり、収入に見合わない契約はあってはならない。
年収600万程度の人に、複数物件を契約させるのは間違っている。しかも、最初の物件が赤字になると「次の物件で取り返しましょう」とは言語道断である。
他にもいろいろ話したのだが、投資という政府も推している金融商品の一つとして考えれば、やはりリスク説明は必須だ。
投資は博打と同じなのだから、絶対は存在しないからだ。
複数の業者の方と歓談の機会を得たが、みなさんも賛同してくれたことは嬉しさと希望を感じさせてくれた。そんな1日だった。
タワマン閑話
晴海フラッグでの違法行為などもあって、より注目が集まっているタワマン。
高層化はどんどん進んでおり、中央区・月島に建設中のタワマンは58階建て。下町の雰囲気を色濃く残す「もんじゃの町」を睥睨している。
このマンションは1億5千万から2億ほどだそうだが、完売というのだから、あるところにはあるものだ。
恥ずかしながら筆者もタワマン住まいなのだが、いろいろ感じることがある。
独断と偏見なので、そこは割り引いてお読みいただくと助かる。
・子供がうるさい
いわゆるパワーカップルが多いこともあり、子供のいる家庭が多い。少子化の影響もあるのだろうが、はっきりって躾のなっていない子供が目立つ。
ロビーを独占したり、走り回ったりと呆れる。当然ながら苦情も出るわけで、ロビー使用制限なども行われているし、先だってはエスカレーターでの軽い事故も起きた。エスカレーターで走るなぐらいは親が言え、と思う。
・親も親
正面入り口に長時間自分の車を止めたり(特に雨の時。さっさと次にゆずりなさいよ)、通路を塞ぐように立ち話をする。この親にしてこの子ありなのかな、と笑ってしまう。
エレベーターに大荷物を持って乗り込む場合など、引っ越し用のエレベーターを使う、ぐらいは考えるものだろう。ベビーカーや車椅子を優先してあげようという心遣いのない人も希にいる(筆者は外見はアレだが、実は優しい人なので、このあたりはしっかりやるんですよ)。
・出不精になる
これは筆者個人の問題かもしれないが、コンビニもあるのでマンション内でいろいろ完結してしまい、気づくと数日外に出ていないなんてことがあって、これはよろしくない。
郵便は2階に取りにいくため、つい忘れて大量に溜まるなどもある。まめな人には問題ないのだろうが、筆者のようなズボラな人間にはありがちなのである。
・景色…別に
タワマン高層階といえば景観ということになるが、数日で飽きる。
・まあ、いろいろあるが…
セキュリティが良いこと。管理がしっかりしている物件ならば、いつも綺麗になっている。防音性にも優れているので、隣室の音が聞こえることもない。
そもそも、あまり人と行き会わない。隣人関係が失せ、コミュニティが崩壊傾向にある現代人向きなのだろうとは思う。
※ ※ ※

#正直不動産 #空き家 #固定資産税 #リノベーション #不動産業者