トップ  >  『重版出来!』の併売作品を「リアル河さん」が選ぶ!書店員さんが作る「俺の棚」!#俺の棚_重版出来 #重版出来 ( 2016/05/31 )
月刊!スピリッツ

2016.05.31

『重版出来!』の併売作品を「リアル河さん」が選ぶ!書店員さんが作る「俺の棚」!#俺の棚_重版出来 #重版出来

月刊!スピリッツ
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「この漫画、俺なら、私なら、こんな漫画と一緒にオススメする!」
「この漫画が好きな人はきっとコレも好きなはず!」
日々店頭でそんなことを考えながら棚を作っている書店員の皆さんが併読漫画を選ぶ――
"俺の棚"を妄想してもらいました!!





今回テーマにするのは、ドラマも放送中の月刊!スピリッツ連載作『重版出来!』(松田奈緒子)。





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1冊のマンガを読者に届けるまでには、マンガ家や編集者だけでなく、営業やデザイナー、印刷関係者、書店など数多くの人の本気の"仕事"がある! マンガ誌「週刊バイブス」に配属になった新人編集者・黒沢心を通じて、マンガの現場で働く人間の思いや矜恃、挫折と喜びを描く、熱い人間ドラマ。




放送中のドラマには、毎週たくさんのマンガ家さんがTwitterで感想を呟いていたりもしますね。そんな『重版出来!』をテーマに併売タイトルを考えてくれたのは、オリオン書房ノルテ店池本美和さん。オリオン書房さんはドラマの撮影場所のひとつになっている書店さんです。そして、実は池本さん、『重版出来!』に出てくる書店員・河さんのモデルになった人でもあります。そう、ドラマでは濱田マリさんが演じている、あの河さんです!




"リアル河さん"は『重版出来!』でどんな棚をつくるか、さっそくご覧ください!






オリオン書房 ノルテ店:

東京都立川市曙町2-42-1 パークアベニュー3F

10:00~21:00(年中無休)http://www.orionshobo.com/








■熱くなる、楽しくなる......「つくる人」を巡る棚






今回テーマにした『重版出来!』は「つくる」ことを巡ったマンガ。描く人、作る人、売る人、読む人......それ以外にも様々なかかわりが「つくる」ことで生まれていく様子を、とても気持ちよく、真摯に切り取ってくれています。主人公の心ちゃんの前向きな姿を見ていると、自分もちゃんとしようという気持ちになります。ドラマのロケ現場を見学させていただくこともあるのですが、ドラマのキャスト、スタッフの方々も内容同様に熱いハートを持っていて、背筋が伸びます。みんなで何かを「つくる」というのはすごい熱量なんだなと改めて感じます。今回はそんな「つくる人」をテーマにした棚にしました。内容は仕事だったり趣味だったりとさまざまですが、決めた目標に向かっていくその過程はどれも魅力的です。(池本さん)




『大東京トイボックス』(うめ/幻冬舎・コミックバーズ)




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[あらすじ]

ゲーム制作会社スタジオG3の社長・天川太陽らの奮闘を描いた『東京トイボックス』の続編シリーズ。納期や予算、バグといった思わぬトラブルに直面しながら、1本のゲームを少しでも面白くし、リリースしようとする、太陽たち「つくる人」の熱さが詰まっている。

[池本さんの選書ポイント]

「人生を削ってでも"面白い"ゲームをつくる!」という信念がアツく、重い。「いいものをつくること」と「効率よく成果を出すこと」のせめぎあいが、なんとも身につまされて苦しくなりますが、それでもその先にある何かを求めてしまう「つくり手」の性に胸を打たれます。ゲーム好きでもそうでなくてもこみあげるものがある、傑作!







『ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部-』(小沢かな/新潮社・月刊コミック@バンチ)




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[あらすじ]

キラキラした女子になって恋をする! そんな願いを持って大学に入学した都留たまきは、テニスサークルの活動中に、学内を移動中だった小さな飛行機を壊してしまう。壊してしまった"メーヴェ"のような白い飛行機はグライダー。エンジンなしで飛ぶグライダーに乗ってたまきが見たのは、一面の青い空だった。

[選書ポイント]

大学の「航空部」で空を飛ぶことに日々を費やす少年少女の青春模様。「グライダーを飛ばすのに、ひとりとして価値のない人間はいない!」というセリフから、「チームでつくる」ことの重要性が伝わってきます。彼らが一からつくったグライダーが青い空を切っていく様子がすばらしく爽やかで、気持ちが透きとおるようです。







『ハルロック』(西餅/講談社・モーニング)




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[あらすじ]

幼い頃は身近な機械を手当たり次第分解する分解魔だった向阪晴は、高校で何となく入部した電子部で電子工作に目覚める。日常の問題解決とちょっぴりの興味本位で電子工作品をつくり続けるハルはやがて仲間たちと未来へ向かっていくことに。電子工作オタクの生態もわかる(?)脱力系コメディ。

[選書ポイント]

「電子工作」大好きっ娘のガチンコ工作マンガ。ものづくり人間のエネルギーがこれでもかとつまっています!! 「人生の残り時間付きタイマー」や「地獄見せマシーン」......突拍子のないと思われるアイディアが形になったときのなんともいえない至福感が詰まっており、読んでいるこちらもたまらない気持ちになります。かしこくなった気にもなれる、とてもお得な作品。







『二ツ星駆動力学研究所』(林健太郎/集英社・となりのヤングジャンプ)




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[あらすじ]

知人からなかば強引に誘われて大人のミニ四駆チームに参加することになったマンガ家・林健太郎。気づけば担当編集者も自分以上にハマりこみ、ミニ四駆マンガを描くことに。ある者は財力をパーツやコースに注ぎ込み、ある者はたった1本のシャフトを選ぶために研鑽を積む......。ミニ四駆という小さな「モータースポーツ」に情熱を注ぐ大人たちを描いたルポマンガ。

[選書ポイント]

「われわれ世代が小学生だったころの遊びの筆頭・ミニ四駆がいまだに熱いぜ!!」というルポマンガなのですが、第一次ブームから30年弱経って当時の子どもも大人に。財力を持った大人たちの遊びは、やはり熱気が違いますね。速く走るマシンをつくる......ただただその目標に向かって、ああだこうだと試行錯誤する様は、いいチーム感が出ていて楽しいです。こういう大人たちがまだまだいるぜっていうところに安心します。







『編集王』(土田世紀/小学館・ビッグコミックスピリッツ)




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[あらすじ]

『あしたのジョー』を読んでボクサーを志したが、やがて夢破れた桃井環八。彼が新たに選んだのは、マンガの世界でジョーになるという夢だった。アルバイトとしてマンガ雑誌編集部に入ったカンパチが見たのは、マンガに取り憑かれ、人生を捧げるマンガ家、そして編集者たちの姿だった。完結から20年近く経つ今も読み継がれる土田世紀の代表作のひとつ。

[選書ポイント]

「マンガ」を題材にしたマンガとして、私に多大な影響を与えた作品です。今にして思えば大げさなエピソードも多々あるのですが、それでもやっぱり描く人の熱が読み手に伝わる瞬間を、余すところなく描いた熱気あふれる作品だったなあと思います。特に「マンボ好塚」先生エピソードは号泣必至。あのくだりは、本当に何度読み返しても泣いちゃいますね。








「つくる人」をテーマにした今回の「俺の棚」。『重版出来!』同様、熱いマンガはもちろん、つくることにハマった"オタク"的な人たちの姿にほっこりしたり、笑ったりできるマンガまで、さまざまなタイトルが並ぶ棚になっていますね。苦しいけれど面白い、仕事や趣味の醍醐味を思い出させてくれます。




そして、今回もテーマになった『重版出来!』の松田奈緒子先生から描き下ろしイラストが!





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なお、Twitterでは「自分なら『重版出来!』でこんな棚をつくる!」という投稿を募集しています。「#俺の棚_重版出来」というハッシュタグを付けて投稿してください。お待ちしております!






書店員の皆様へ

今回の企画で松田奈緒子先生が描き下ろしたイラストを使用したPOP台紙を、書店さん向けサイト「コミックえもん!オンライン」にて配布しております。ぜひダウンロードして『重版出来!』の展開用にお使いください。POP台紙ダウンロードはこちらから








「俺の棚」バックナンバー






(テキスト:小林 聖)

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重版出来! 1 松田奈緒子
重版出来! 2 松田奈緒子
重版出来! 3 松田奈緒子
重版出来! 4 松田奈緒子
重版出来! 7 松田奈緒子

関連リンク
火曜ドラマ『重版出来!』|TBSテレビ
『重版出来!』作品詳細ページ
スピリッツ公式「スピネット」


【初出:コミスン 2016.05.31】

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