カレー沢薫・輝きかけの人生コラム「薫の小部屋」第23回更新！

週刊スピリッツ

今回のテーマは「話題の六つ子」です！
人気大爆発中の、あのアニメについてです。ハッスル、ハッスルー!!

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遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
今年も頑張るつもりなので、御声援、御金銭、グーグルプレイカードなどいただければ幸いである。

新年早々、金銭の強要以外言いたいことがないので、担当にテーマをせびったところ「今ブームのおそ松さんについて語ってはどうか」と言われた。

当方も、おそ松さんが人気なのは知っているが、未見である。昔からオタクのくせに、アニメはあまり見ない。というかテレビ自体をほとんど見ず、今ではテレビの見方すらよくわからなくなり、リモコンを渡されると、とりあえず口に入れるようになってしまったので、今後も見ることは、「ヘルパー」と放映時間中に私を縛り付けておく「イス」（電流が流れるならなおよし）がなければ難しいと思う。

しかし、おそ松さん、女子を中心にすごい人気である。パッと見、女子受けする感じには見えないが、これだけはまる人が多いというからには何かあるのだろう。
おそ松さんとは、六つ子が主人公のアニメである。よって「６人いるんだから、必ず誰かにはまる」という理論を聞いたことがある。

しかし、私の漫画だって、６人ぐらい登場人物はいる。なのに誰もはまらないということは、どうやら数の問題ではないようだ。
もしかしたら、同じ顔のキャラを６人出せば良かったのかもしれない。奇しくも私のデビュー作は、同じ顔のロシアンブルー３匹の話であった。つまりこれが６匹だったら、爆発ブレイクしていて、今ごろ「モバコインカード落ちてないか、DMMプリペイドカードでもいい」などと、下ばかり見て歩かなくて済んでいたはずなのである。
出来ることならタイムスリップして、過去の自分に「ロシアンブルーの数は６にしろ」と言ってやりたいが、多分過去の自分は「６匹描くのは面倒だ」と答えるだろう。あいつはそういう奴だ、わかっている。
その３匹すら、コピペで描いていたのであるが、おそ松さんの六つ子は少なくともコピペでは描かれていないだろうし、むしろベースの顔は同じでも、各々キャラ立ちしているのは見なくてもわかるし、きっと女子の心を掴むべく綿密な計算がされた作品なのであろう。
結局、「手を抜いてはいけない」という、即刻唾棄すべき正論にたどり着いてしまったことは、新年早々不吉としか言いようがない。
そんなお題を出してきた担当への怒りも込めて、とりあえず、もうすぐやってくる節分には、年の数だけ担当を殴ろうと思う。厄払いにもなるし、加齢と共に殴る回数を増やせるので「年を取るのも悪くない」と思えて一石二鳥なのだ。

「というわけで、今年もどうぞよろしくお願いしまーす！」（担）

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【初出:コミスン 2016.01.31】

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