トップ  >  カレー沢薫・輝きかけの人生コラム「薫の小部屋」第6回更新! ( 2014/11/24 )

2014.11.24

カレー沢薫・輝きかけの人生コラム「薫の小部屋」第6回更新!

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今回のテーマは「自然に生きるとは」です。
ギャル、ゴリラ、果ては経済まで! 読めば、人生役立つ...かもしれない!?






◆ ◆ ◆








古来より「オシャレは我慢」と言われる。
冬でも薄着や短いスカートで、「超寒い、意味ワカンナイ」と言っているギャルやJKのわけのわからなさに困惑する人も多いだろうが、彼女たちは暑い寒いより見た目を重視しているのだ。
露出することによってさらに見苦しくなっている者もいるが、少なくともギャルやイケてる(自己申告)JKであるというアイデンティティは守られる。どんなに寒かろうが、スカートと白のハイソックスが完全にかぶって逆絶対領域を作り出しているようなJKとは違うのだと言いたいのだ。




このように見た目をキメようと思ったら、色んな制約が起こるし金もかかる。そういったことに疲れると、女は決まって「もう無理はやめた! ナチュラル美人になろう」と思い立つのだが、みなさんご存じの通り、ナチュラルというのはナチュラルに見せるために不自然な生活をすることであり、もちろん金もかかるのである。




派手でもナチュラルでもその道を極めるなら良いが、美容業界にとって一番のカモは、派手とナチュラルを反復横跳びする女で、一貫性のない女がその二つを横移動するたびにポケットから小銭がじゃらじゃら落ちるという仕組みだ。
仮にナチュラルの意味を誤解し、金も手間もかけず真の自然生活を送ると女はどうなるかというと、ナチュラル美人ではなく、ゴリラになる。




現在、現役のゴリラとして大自然の中を生きている私の生活はというと、毛の処理もろくしないのでビジュアル面でもゴリラに近いのはもちろんのこと、化粧どころか基礎化粧品も一日一回つけるかつけないかで、洗顔料も家人の「メンズ」とデカく書かれた、肌に必要なものを全て洗い流してくれそうな激しいスクラブを無断借用。




白髪が増えたが、染めるのが面倒かつ美容院(という名の千円カット)にも滅多に行かないので、海原雄山リスペクトとしか思えないヘアースタイル。
食いたい物を食い、食い物を取りに行く時の階段の上り下りのみが唯一の運動。2年ほど服も買わず、持っている服すべてに油染み(常に油ものを食っている為)がついている。




こんな女でも太りたくはないと思っているので、前に書いたケツから油が出るサプリを常用しているが、ケツから油を出している様を見れば、ゴリラもマウンティングする手を止めて真顔で「引くわ...」と言うであろうし、そもそもゴリラに失礼であった。




このように、自然に生きようとすればするほど、美からは遠ざかるように出来ているのだ。
つまり、美を手に入れたいならそれ相応の手間、もしくは金が必要なのである。
その結果、美が手に入ると決まったわけではないが、同じブスでも高速反復横跳びでお金をジャラジャラ落として、経済をグルグル回すブスであれと言いたい。





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【初出:コミスン 2014.11.24】

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