2021.02.15
第354回スピリッツ賞 受賞作発表!
第354回スピリッツ賞に多数のご応募ありがとうございました。センス輝きあふれる6本が受賞
【奨励賞】賞金5万円
『波のりガ~ル』あたる(宮崎県・34歳)
主人公は、女子高校生サーファー。同じクラスの女の子にサーフィンを教えてほしいと言われ、教えることになった。しかしその女の子は中々上達せず、サーフィンに向いてなかったのかと諦めようとするのだが…
編集部より
とても爽やかな絵で、女の子の表情や動きも良く描けていました。ただ、内容が薄くなっていたので、次回作では内容にも拘り、読者を楽しませることを意識して描いてみてください。
【奨励賞】賞金5万円
『不破さんと私』暮介(東京都・33歳)
毎回テストの度に、不破さんには勝てず、2位にしかなれない女子中学生・小夜。全て軽く完璧にこなす不破さんと要領が悪い自分を比べて惨めさを感じている。そんなある日、小夜は思い切って不破さんに勉強法を聞くのだが、より自分との違いを感じて焦り…!?
編集部より
話の主軸となる二人のキャラを立たせて描くことができており、最後まで惹きつけられました。ただ、長かったです。描くことを絞り、見せ場が一番盛り上がるように全体を構成してみることを意識してください。
【奨励賞】賞金5万円
『亡骸に務む』ストラダ五郎(東京都)
昭和40年。高校生・いち子は夏休みに、大学の医学部で実験助手をしている父に仕事の手伝いを頼まれた。渋々請け負ったいち子に父から頼まれたのは、献体の解剖の手伝いで…
編集部より
あたたかみのある話と柔らかい絵で惹きつけられました。また、人間の本質に迫るような話も良かったです。ただ、この絵柄と描く題材のマッチングをもっと考えて描いても良いかと思います。
【努力賞】賞金1万円
『アムネスト』矢間 純(京都府・22歳)
高校三年生の主人公・明希は、作文コンクールに出す作文のテーマを決めあぐねていた。そんな折、近所で、若い女性が高齢男性を誘拐するという奇妙な事件が起こり、世間の注目を集めた。明希も気になりはしつつも、作文のテーマ選びに集中していたのだが…??
『この町で天使はバスを降りた』泉タロウ(東京都・19歳)
明日地元から東京へと旅立つ仁希に対して、創は将来について何も決めていない。創は彼女のことが好きなのだが、変わっていく彼女を数年後も好きでいられるか疑問に感じた。しかし、今日が最後になるのかと思い…!?
『アングレカム』深言夏晴(東京都・23歳)
学校で孤立し自分の居場所が見つけられない女の子・ユニには、唯一会いたい人がいる。それは、毎日夢で見る生き別れた弟である。ある日ユニはその弟に偶然出くわすのだが…!?
担当者より
奨励賞より上が出なかった今回ですが『波のりガ~ル』はとにかく表情が素晴らしく、『不破さんと私』は一貫したキャラクターをぶれずに描き切っており、『亡骸に務む』は丁寧で端正な表現が光る今後に期待の持てる作品でした。新型コロナにより世界全体に大きな変化が起きている今、あらゆる世代の一人ひとりの人生に、これまでになかった新たな体験や想いが生まれていると思います。それを物語という形にして、多くの人にとっての新たな共感や感動を呼び覚ますことができるのが「青年マンガ」というジャンルの持つ強みです。今を生きる皆さん一人ひとりの日常の中にこそ、種は転がっているはずです。その種を芽生えさせた作品をぜひ読ませてください。そして、スピリッツ編集部の担当編集者と共に大輪の花を咲かせましょう。
また、原稿の直接のお持ちこみも大歓迎です。