ビッグオリジナル
2022/11/30発売
ホロウフィッシュ 第1集
むつき潤
〈 書籍の内容 〉
世界が滅ぶ時、一緒に死にたい人はいますか
2019年、3月。
静岡、海沿いの街――
母親を亡くした過去を引きずる、高校一年生の椎良(シイラ)と、彼に片想いをする幼なじみの杏子(アンコ)。
いつか大きな地震が来て、この街ごと海に沈んだとしても構わないという少年と、彼と生きていくために、一緒に東京へ行こうという少女。
いつまでも続くかと思われた、生ぬるい液体に包まれたような日々。
“だけどあの日……椎良はあの人に出会ってしまったんです”
――訪れてしまった運命の出会い、走り出す恋。
それは、背後に忍び寄る不穏な事件の気配もまだ遠い、春のできごと――
『バジーノイズ』で鮮烈連載デビューを果たした俊英・むつき潤が描く、“終末”と“再生”の恋物語、開幕。
原案:麓 貴広『この醜く美しき世界』
〈 編集者からのおすすめ情報 〉
20代半ばにして挑んだ初の週刊連載作『バジーノイズ』で話題となった俊英・むつき潤氏。
ポップでミニマルな画風で「音楽業界の今を生きる若者たち」を描き切った前作から一転。
今作は彼の大学時代の先輩がかつて書いた脚本をもとに、海辺の街で起きたある恋物語とその背後に忍び寄る“事件”を、湿度や潮の香りさえも匂い立ってくるような筆致で描き出します。
暗くぬるい海の中を泳ぐようにして幕を開けた本作、懸命に生きる彼らが辿り着く場所を、是非ご一緒に見届けてください!