トップ  >  第418回スピリッツ賞 結果発表! ( 2026/05/25 )
週刊スピリッツ

2026.05.25

第418回スピリッツ賞 結果発表!

週刊スピリッツ

デビューに一番近い新人賞!!

奨励賞4本&努力賞2本! 個性抜群の秀作揃い!

 

【奨励賞】賞金10万円

『パワハラちゃん』
青木宇宙┃愛知県・28歳

編集部より

カリスマアイドル・川原めぐは、メディアで見ない日はないほどの人気者。ところがマネージャーである主人公・「田中」にとっては、令和の世にまさか……なレベルのパワハラモンスターだった! 女の子の造形が可愛く、アイドルらしい可憐な所作とオッサンのようなヤニカス仕草の切り替えが傑作。軽妙なセリフ回しにもユーモアが光っていました。キャラづくりの才能とメジャーな感性で生み出される次回作に期待大。

 

【奨励賞】賞金10万円

『吸血鬼だって人間である』
上中翔太┃大阪府・40歳

編集部より

コンサルティングファームに勤めるシゴデキ男・唐立の人生最大の願いは、「女吸血に血を吸われたい」。夢にまで見た吸血鬼との出会いが実現するも、目の前にいたのはどう見てもおじさんの「吸宇田 博55歳」!? 笑い所が非常に多くテンポの良い展開で、24ページがあっという間。コンサル・吸血鬼といった要素から、後輩女性の誘い、仕事のコツといった小ネタに至るまですべてを活かす構成力の高さが目を引きました。

 

【奨励賞】賞金10万円

『カエルの子』
鈴石晴喜┃東京都・25歳

編集部より

「お子様は…カエル人間として生まれます…」医師が妊婦に告げたのは衝撃の一言。堕胎を拒否する妻に、医師と夫は「カエル人間になった夢」を見せる。そこにあったのは、危惧された差別や偏見などまったくない人生……? すさまじい嫌さ、恐怖を喚起されました。作品としての一貫性を明確に持ちつつ何度もひっくり返す巧みな作劇。タイトルで匂わせた展開を遂行しつつ超えてくるラストもよく練られていました。

 

【奨励賞】賞金10万円

『右筆タイムトリッパァ』
永田 潔┃埼玉県・23歳

編集部より

歴史ある書家に生まれ育った主人公・平野白秋。「手本通りに真似する」高い能力を持っているが、生き様の表れた書を評価する平野家では無意味。ある日、蔵で見つけた陳状を開くと、鎌倉時代の御家人・岩尾の幽霊が現れて…… 主人公が自らの生き様と居場所を見出す様に筋の通ったカタルシスがありました。端麗な絵柄と丁寧な描き込みで読みやすく、幅広い題材を描きこなせそうな将来性を感じます。表情も魅力的。

 

【努力賞】賞金3万円

 

『大人ぶる子供がる』
柏ももた┃京都府・22歳

『面のいい女が嫌いな話』
絵街五月┃神奈川県・22歳

 

 

たくさんのご投稿ありがとうございます!

総 評

Netflixなどのサブスクリプションサービスが登場してから、「可処分時間(仕事・家事・育児・睡眠などのやらなければならない時間を24時間から差し引いた残りの時間)の奪い合い」はよりいっそう激しくなっています。TikTokが、YouTubeが、Podcastが、ユーザーの自由に使える時間をめぐって争うーーそんな状況で、貴重な可処分時間をよく知らない新人漫画家さんの作品を読むことに当てるという人は、控え目に言ってそれほど多くないと推察されます。それを踏まえて、皆さんに心がけていただきたいことがあります。それは、「あなたにとって切実なものを描く」ということです。可処分時間の奪い合いが激化した結果、コンテンツが溢れてしまいました。換言すると、「よくできてはいるが似たような作品」が溢れてしまっています。その中で新人漫画家さんが抜きん出るためには、唯一無二なところがないといけません。そして、唯一無二であるためには、あなた自身の切実なものが作品に出ていないといけません。どうしても許せなくて世間に訴えたいこと、あなたを救ってくれた言葉、後悔してずっと忘れられないこと、なんとかして手に入れたいもの…など、あなたにとって切実ならどんなことでも構いません。それをしっかりと見つめてほしいと思います。今後も力作をお待ちしています。