週刊スピリッツ
2023.06.26
第383回スピリッツ賞 結果発表!
週刊スピリッツ
毎月やってる!! デビューに一番近い新人賞!!
佳作×1本、努力賞×3本選出!才能開花の4月期!
【佳作】賞金30万円 TOP賞
『錨の日』葉山 純(高知県・24歳)
それでも、私はあの町に、また帰りたいと思う。
編集部より
描写力がとても素晴らしかったです。特に後半、セリフのない12ページは圧巻だったのですが、前半の日常パートにおいても小学生である主人公の眼前に広がる世界と、そのままならなさが生々しく伝わってくる作品でした。次作にも期待しております。
【努力賞】賞金3万円
『負けらんねぇよ』ナガサワ(東京都・28歳)
編集部より
「独居老人の預金」という着眼点が新鮮で、さらに介護人との対決構造にしているのも面白さを引き立てていました。物語の醍醐味が最初から読者に伝わるような工夫があればより良かったかと思います。
【努力賞】賞金3万円
『私の大好きな君』髙橋いいよ(京都府・21歳)
編集部より
全体通して非常に読みやすい上、キャラクターの表情が素晴らしく、文字に頼らずに感情を描けているのが印象的でした。執着の話でありながら物語のラストも清々しく、読後感もとても良かったです。
【努力賞】賞金3万円
『アセトヨダレ』井上おふる(東京都・19歳)
編集部より
思春期の鬱屈とした感情にリアリティーがあり、最後まで惹きつけられました。構図やシーンの切り抜き方も魅力的で、単調になりがちな会話シーンにも読者を楽しませるための仕掛けがなされているのが良かったです。
総 評
非常に若い受賞者が揃った今回。どの作品もみずみずしさと共に、若さ特有の生々しさが匂い立っていて素晴らしかったです。漫画を描く上で大切なのは「周りがどう思おうとも、自分はこれが好き」と言い切ってしまう勢いです。今後もそれを失うことなく、表現を磨き上げてください。歪な形の愛情も、偏った性癖も、不道徳な人間関係も、魅力的なドラマに仕立てあげ、読者と共犯関係が築けるようになれば超一流のプロになれます。(スピリッツ賞担当副編集長 茂木)