ビッグコミック
2014.11.28
白土三平『カムイ伝』50周年!その魅力を振り返る!
ビッグコミック
「生きる」とは。いつの時代も心に響く、金字塔。
『カムイ伝』......忍者マンガの金字塔として知られる長編だが、こんなにも長く愛されるのには理由がある。生への渇望と情熱、混迷の世を生き抜く知恵と勇気、人々の生き様など、どの時代の"現代人"にも響く、熱量があるのだ。
その『カムイ伝』が、今年で連載開始から50周年を迎える。コミスンでは、『カムイ伝』の魅力を振り返りつつ、連載当時を知る著名人のインタビューに触れてみたい。
1964年、「ガロ」誌上にて連載が始まった『カムイ伝』。非人の子・カムイ、下級農民の子・正助、武士の子・竜之進を中心に、厳しい封建制身分制度のなかであえぐ人々の壮絶な生き様を描いた。連載当時は社会情勢と相まって大学生たちの心をつかみ、大きなブームとなった。
◆「ガロ」での連載当時に詳しい著名人からピックアップ!(eBookJapanのサイトに飛びます・以下同)
なぎら健壱さん「白土三平の影響で忍者を、『ガロ』にはまって不条理を」
細野晴臣さん「忍者ものが好きで、白土三平タッチのマンガを描いてました」
並行して、1965年から「週刊少年サンデー」にて『カムイ外伝』が連載開始。抜け忍・カムイと追忍の、様々な秘術を駆使した死闘は、少年たちの心を熱くさせた。
◆『カムイ外伝』などの忍術マンガが大好きという著名人からピックアップ!
斉木しげるさん「忍者ものの映画を撮ってみたいんです」
秋山具義さん「すごい人たちがリレー形式で描いてる『忍法十番勝負』は結構やばいですね」
そして1982年、「ビッグコミック」にて『カムイ外伝』を大人向け作品として再開。完結後の1988年には『カムイ伝 第二部』を連載開始。第二部では、カムイ・正助・竜之進の3人が、再び命をかけて夢を追う姿が描かれる。バブルに熱狂する日本社会の裏で、壮大な物語は静かに語られてゆく......
◆『カムイ伝』シリーズをはじめ、マンガ史に詳しい著名人からピックアップ!
亀和田武さん「それまでのエンターテインメントのマンガとはまったく違うものと出会ったんです」
京極夏彦さん「マンガ好きなだけの、ただのオタクオヤジの告白みたいになってませんか?(笑)」
荒俣宏さん「マンガってね、その時代の夢をずっと見ているんですよ」
いつ読んでも胸を打つ『カムイ伝』の魅力、少しでも伝わりましたでしょうか...? さらに詳しい解説は、『決定版 カムイ伝全集』特集ページへどうぞ!
現在、白土三平先生は相変わらず社会と密接に関わり、充実した生活を送られながら、第三部を鋭意構想中。『カムイ伝』の幕は、まだ下りていない...!
(ビッグコミック編集部)
関連リンク
白土三平画業50年記念出版「決定版カムイ伝全集」全38巻
ビッグコミック公式
白土三平 画業50年記念出版 決定版カムイ伝全集全38巻 http://comics.shogakukan.co.jp/kamui/
【初出:コミスン 2014.11.28】
カムイ伝,ビッグコミック,白土三平