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週刊スピリッツ

2014.02.01

同人誌即売会でスカウトされるにはコツがあった!?~『共学高校のゲンジツ』3集発売記念著者インタビュー

週刊スピリッツ
同人誌即売会でスカウトされるにはコツがあった!?


 


只今、「月刊!スピリッツ」で絶賛連載中! ドラマティックを夢見て共学高校に入学した少年少女の、煮え切らない系スクールライフを描いたコメディー『共学高校のゲンジツ』。この作品を手がけているのは、創作系同人誌即売会で絶大な人気を誇るサークル「ItamiWorks」の伊丹澄一(作画)と、さぬいゆう(原作)のお2人である。商業誌初連載となる本作は既刊も重版続々、1月30日には待望の『共学高校のゲンジツ』<第3集>が発売され、順調な売れ行きを見せている。


 


今回は、そんな若手コンビに直撃インタビューを試みた。同人誌即売会で商業誌編集者に声をかけさせたり、新人賞を経ずに連載をゲットするには、なんと秘訣があるというのだが...!?


 


 


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『共学高校のゲンジツ』3巻 絶賛発売中!



 


二人の出会いは高校時代!!


 


--------お2人は創作系同人誌ご出身とうかがったのですが、コンビを組むようになったきっかけを教えてください。


 


伊丹澄一「いつも何かを一緒にやっていた仲で、高校で同じ漫画研究部に入ったりして、その流れのままにですね。」


 


さぬいゆう「当時は、お互い、イラストを中心に描いてました。同人誌を初めて作ったのもこの頃でした。高校2年の時に「漫画研究部」の部費がけっこう貯まっていたので、「このお金で同人誌を作ろう!」と部員のみんなでイラストやショートまんがを描いて、コミケに出したんです。」


 


伊丹「同人誌って、今でこそ、そこそこのお金で作れるんですけど、この時は10万円くらいかかったかな。高校生にしては大金ですけど、全部、部費だったので...。まあ、いいかみたいな(笑)」


 


------当時から、お2人はまんが家志望だったんですか?


 


さぬい「そうですね。お互い漠然とですが、まんが家になりたい!...っていう気持ちはありました。伊丹は、その頃からデジタルで作画もするようになって。でも、本格的に2人で組むようになったのは、それから何年か後です。」


 


伊丹「僕らが高校の頃って、デジタルでイラストを描いたり、まんがを制作する黎明期の頃で。自分も、興味はあったんですけど、肝心のコンピュータを持っていなかったんです。それで、親にパソコンをねだったら、「いい成績を取ったら買ってあげる!」と言うので、もう必死に勉強しましたね。人生で一番勉強したっていうくらい(笑)。それで、何とか買ってもらえて。バイトをして、ソフトやスキャナーも少しずつ揃えました。でも、パソコンでイラストを描いたり、ネットに夢中になっているうちに成績の方は急降下して...。いや〜、「高校生に自由にパソコンの環境を与えてはいけない」っていう典型的な例というか(笑)」


 


--------高校の頃からパソコンでイラストを描いてたんですね。


 


伊丹「そうですね。パソコンといっても、今と違って完全にデジタルで出来たわけではなくて。原稿用紙に描いたイラストをスキャナーで取り込んで、PhotoShop LEで彩色するくらいしか出来なかったんですけど」


 


さぬい「それを考えると、今の時代って恵まれてますね。マシンやソフトも大幅に進化したし、昔と比べると値段も格段に安い。例えばPDF形式のファイルなんて、以前はすごく重かったのに、最近はパソコンでもタブレットでも簡単に開けますし。」


 


伊丹「あの頃って、何かをPDFでもらうと、JPEGでくれよ...って、いつも思ってましたもんね(笑)」


 


 


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『共学高校のゲンジツ』...お二人の仕事場。さぬい先生の作業机がコレ。



本棚の奥に、伊丹先生の作業机がある。



 


 


 


創作系同人誌即売会「コミティア」にサークル参加!!


 


--------創作系同人誌の活動を本格的に始めたのは、いつ頃ですか?


 


さぬい「本格的に、2人で創作系の同人誌を作ったのは、2008年頃。「コミティア(自主制作漫画誌展示即売会)」にサークル参加することを決めてからですね。それまでは、別々で活動していたんですけど、そろそろ本気を出そうかと(笑)。僕自身は、高校を出てから、就職をしない言い訳的なもので、二次創作系の同人アニメやゲームを作ったりしていたんですけど、「いつかは、まんが家に...」っていう夢はあったんですよ。それで、2006年の頃からまんがのネームを描き始めて。当時から1人で描くよりも、伊丹の方が作画も上手いし、なんとなく2人でやれたらいいなって思っていたんです。でも、伊丹にネームを見せると毎回ボツの連続で...(笑)」


 


伊丹「僕も、さぬいと共作で発表するのはアリだと思っていたんです。それまで、自分1人でまんがを描いていたんですけど、途中で放り投げちゃったり、うまくいかなかったりもして。「まんが家」という目標はあったんですけど、なかなか先に進まなかったんです。そんな時に、さぬいがネームを持ってきたんですけど、個人的にしっくりこなかったというか(笑)。ボツを出したり、意見を言っているうちに、「やっぱりコンビは無しだ!」みたいなのが3回くらいあったんです。」


 


さぬい「それを考えると、2人で創作活動を始めるまでに3回くらいコンビを解消していますね(笑)。でも、時間が経つと、お互い何となく「また一緒にやろうか」みたいのが、続いていって。初めてコミティアに出展するまでに、2年くらいはネーム書きの作業をしていました。いま思うと、それが下積みとして、いい経験になったと思います。」


 



--------さぬいさんの2年のネームの下積みを経て創作同人誌を作り始めたんですね。


 


伊丹「2007年の暮れなんですけど、僕がバイトしていたスーパーが倒産してしまいまして...。「これからは本気でまんがだけを描いていこう!」って決意したんです。でも、一からネームを書くのは時間がかかる。そんな時に、さぬいが持ってきたネームが、素晴らしかったんです。そこからですね、2人のコンビの結成は!」


 


さぬい「それまでボツ続きだったんですけど、伊丹が「このネームで同人誌を作ろう!」っていうことになって、コミティアにサークル参加することを決めたんです。」


 


--------パロディのような二次創作ではなく、オリジナル作品の発表の場である「コミティア」を選んだ理由は?


 


伊丹「僕も、さぬいも一致した意見として、いずれ商業誌で描きたいっていうのがあったんですよ。創作系同人誌を描いているうちに、どこかの出版社の目にとまるといいなって期待も込めて。」


 


さぬい「コミティアって、「出張編集部」というのがあって、各出版社の編集者が、まんがを見てくれるブースがあるんです。正直言うと、いろんな出版社のブースをまわって、どこかに引っかかればうれしいかなという狙いもありましたね。あと、会場には、出張編集部を担当している以外の編集者も、一般のお客さんにまぎれて相当数いらっしゃるんです。そういう方たちにも、手に取ってもらえればチャンスがあるかもしれない。「商業誌デビュー」というのが目標だったので、コミティアっていうのは絶好の場だと思ってサークル参加したんです。」


 


 


ついに公開!! 同人誌即売会でスカウトされるにはコツがある!!


 


--------いざ、コミティアに出展してみて、まわりの反応はどうでした?


 


さぬい「同人誌が軌道に乗るまで1年くらいはかかりましたね。毎回、サークル参加していくうちに少しずつ評判をいただくようになりまして。色々試行錯誤しながら同人活動を楽しんでました。」


 


伊丹「出張編集部でまんがの意見をもらったり、どうしたら読んでもらえるかを研究したりしながら、試行錯誤していくうちに、同人誌で一番重要なのは表紙だって気づいたんです。お客さんに、一目で手に取ってもらうには、どれだけ表紙に引きがあるかにかかっているんですよ。この頃は、カラーの表紙を描くのに、1ヶ月はかけてましたね!」


 


さぬい「僕らは「ItamiWorks」というサークル名で、同人誌を販売していたんですけど、毎回、来場する人に名前を覚えてもらって浸透させていくのも大切でしたね。一回面白いなと思ってもらえると、次も期待してもらえますし。」


 


伊丹「コミティアは年に4回あるんですけど、毎回ブースを出していれば、会場を回っているお客さんたちも、いずれ目が止まります。回数を重ねていけばいくほど浸透もしていく。もちろん、来場者の中には各編集部の方もいらっしゃるので、いつも気が抜けませんでしたね。例えば、サークル参加をしていても、新刊を落としてしまって、過去の作品しか並べていないと、編集の人からは「同人誌の締め切りを守れないまんが家は、商業誌の締め切りも守れないんじゃないか?」と思われてしまう可能性だってある(笑)。なにより新刊を期待していた人も裏切ることになりますし。なので、新刊だけは毎回出すように心掛けてました。」


 


--------同人誌から、念願の商業誌デビューまでの道のりを聞かせてください。


 


伊丹「実を言うと、「月刊!スピリッツ」で連載が始まる前に、別の出版社からも何社か声をかけていただいていたんです。でも、編集者と打ち合わせして、ネームの段階まではいくんですけど、なかなか、その先に進めない状況が続いていて。出版社に提出するネームと、同人誌即売会を並行してやっていたので、めちゃくちゃ忙しかったんです。なのに、ぜんぜん商業誌でデビューできない。それで思ったんです。うーん、これはきっと絶対的に何かチカラが足りてない証拠なんじゃないかって。それで、いったん充電して「同人誌でもう少し力を蓄えてからチャレンジしよう」という空気に2人の間ではなっていたんですよ。」


 


さぬい「そんな時に、スピリッツの編集部の方からご連絡をいただいたんです。今だから言えるんですけど、僕らとしては、うれしいと思った反面、しばらく休めると思っていたのに〜...というか(笑)。でも、次の即売会に用意していた同人誌用のネームがあったので、それを編集部に持って行ったんです。実は、そのネームは、これまでの中で一番手応えのあった自信作で。それが、いま連載中の『共学高校のゲンジツ』だったんです。」


 


伊丹「これまで作った同人誌と、そのネームを渡したら、すんなり連載が決まっちゃって...」


 


さぬい「確か、2011年の7月に連絡が来て、9月には連載が決まって、12月には1回目の締め切りっていう信じられないスピードでしたね。「枠が空いた」という事で、連載が始まる前に『どやデレ』という読切を1本描きましたが、連載はその前から決まってました。『共学高校』は元々、同人誌用に描いたネームだったので、「これが通らなくても、次の即売会に使えばいいや」と気軽な気持ちだったんですけど、まさか、そのまま商業誌に連載デビューするなんてびっくりしたというか。」


 


伊丹「僕は浦沢直樹先生や細野不二彦先生のファンだったので、連載が決まった時は「スピリッツ」ブランドの雑誌で、まんがを描かせてもらえるなんて、すごくうれしかったですね。」


 


--------お2人のように、同人誌を描きながら、商業誌のまんが家を目指している人たちにアドバイスを下さい。


 


さぬい「商業誌を目指すだけなら投稿や持ち込みに専念するのが一番手っ取り早いし近道だと思います。でも、それをやらずに同人活動もやっているということは何か思惑があるはずなので。その思惑に向かって一直線に走って下さい。 」


 


伊丹「漫画という点では同人も商業もやることに違いはないので、同人だからとか、商業だからとか、そういうところは特に気にせずに描き続ければ、いずれは目標とするところにいけると思います。コミティアのように、出張編集部があるような即売会に参加すれば、1人で編集部に持ち込みするよりも、気持ち的なハードルも低いですし。」


 


さぬい「出張編集部は魅力ですね! 僕らもそうでしたけど、小学館、集英社、講談社、角川...とか、1日で何社にも見てもらえる。実際、ここの出版社に見せ終わったら、次はあそこの出版社で...って、作品を持って回っている人は多いです。」


 


--------創作系同人誌即売会からデビューしたお2人ですが、出版社の方の目にとまりやすくする方法ってありますか?


 


伊丹「先ほども言いましたけど、やはり「表紙」の大切さですね。同人誌は、中身ももちろん重要ですが、まずは手に取ってもらわないことには何も始まりません。逆に言うと、表紙さえよければ、とりあえず中身をパラパラ見てもらえる。表紙を描く上で基本中の基本なのかもしれませんが、奥行きを出して平面的にならないイラストにすると、パッと見で目に入りやすい。それにプラスして、表情やボディラインに陰影や光をつけたり、何度も試行錯誤しながら表紙を描いてましたね。」


 


さぬい「実際、「月刊!スピリッツ」の編集者の方も、ボクらのブースで表紙に目がいって、購入してくれたんです。その時は、普通のお客さんだと思っていたんですけど、後から連絡をくれて...。そこから「共学高校のゲンジツ」の連載につながったんですよ」


 


伊丹「商業誌で描くようになってから、担当さんに『どうして声をかけてくれたんですか?』って尋ねたことがあるんです。それで言われたことが、まあ、ウチの担当さんだけなのかもしれませんが、コミティアって、コミケよりは規模が小さいし、込み具合もほどほどなので、1日かければ全部のブースをしらみつぶしに回ることが可能なんですよ。それで、担当さんは毎回テーブルの上に並べられた同人誌を見ながら通路を端から端まで歩いて行って、『おっ!?』と思ったものに関しては手に取って中身を確認するんだそうです。そういう意味で"手に取られやすい表紙"とか"ポスターなどで自分の絵柄をアピールしている"っていうのは、やっぱり圧倒的に手に取りたくなるものなんだそうです。どんなに中身が良い本でも、無頓着な装丁だったら見逃してしまう可能性があるとも言っていました。自分たちは、そういうところがたまたま上手く出来ていたのかもしれません。


 


さぬい「【全部のブースをしらみつぶしに回る】というやり方に関しても、『回ってる最中にかなりの頻度で他社の編集者とすれ違うので、全部回ってる編集者は自分以外にもけっこういるはず』と担当氏は言ってました。」


 


――出展してさえいればほぼ確実にブースの前までは何社もの編集者がやって来ているので、そこからいかに手に取らせることができるかを考えればいいんですね!!


 


 


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伊丹先生と、さぬい先生が「ItamiWorks」のサークル名義で制作した創作系同人誌。



 


漫画家志望者へのアドバイス


 


--------これから、まんが家を目指そうとしている若い方にメッセージを!


 


伊丹「オーソドックスにGペンで描こうとか、流行りのパソコンで描こうとか気負わず、それこそ大学ノートに、自分の好きなキャラを落書きする程度から始めてかまいません。僕も、子供の頃は「コロコロコミック」のまんが『星のカービィ』のキャラが好きで、絵描き歌を描いたり、時には角をはやしたりして、勝手にオリジナルキャラを作ったりしてたんです。今思うと、それが絵の練習になってたと思います。」


 


さぬい「原稿用紙の方が描きやすい人は、それでもかまわないと思います。でも、今の時代、機械やソフトの進歩で、いったん慣れさえすればデジタルで描く方が圧倒的に簡単。初心者用のまんが道具だったら、絵描き用のタブレットや、ソフト、スキャナー一式でも、全部で2、3万円くらいで買えます。昔は何十万円もしたものが、おこずかいを貯めたり、バイトを少し頑張れば手に入る値段なんです。僕らが高校生の頃と違って、パソコンが家にある人も多いでしょうし、本気でまんが家を目指すのなら、買って損は無いと思います。」


 


伊丹「まんが家志望の人は、僕らのように、創作系の同人誌を一回作ってみるのもいい経験になると思います。コピーして、ホチキスで止めるようなコピー本だったら学生でも安く作れますしね。ブースにでかいポスターを貼ったり、目にとまるような陳列にしたり、色々な工夫もできるのが同人誌即売会の醍醐味です。」


 


さぬい「どうすれば自分たちの同人誌が手に取ってもらえるか、と工夫することは商業デビューしてからも非常に役に立ちます。ウチの担当さんが言ってたんですが『コミティア出身の人は"お客さんに商品を買ってもらうにはどうすればいいか?"という工夫をし慣れているから、商業で単行本を出す際にも魅力的な表紙を描く能力が非常に高い』んだそうです。まあ、あくまでもウチの担当さんの意見ですが。」


 


コンビで漫画家をしてケンカ別れしないコツは【完全なタテ割り】!?


 


--------さて、現在「月刊!スピリッツ」で好評連載中の『共学高校のゲンジツ』のお話を聞かせて下さい。


 


さぬい「僕にとっては、創作系同人誌のまんがが、そのまま商業誌に載っている気分ですね。ある意味、不思議というか。同人誌時代から、まんがの作り方もぜんぜん変わっていませんし。でも、これまでは年に4回作れば良かった作品が、「月刊」ペースなので、以前よりスケジュールはハードですね。」


 


伊丹「僕も、同人誌と商業誌で、絵の描き方を変えたりとかはしてないですね、逆に、無理に商業誌だということを意識せず、同人誌を描いていた時と同じ感覚で作画をしています。」


 


--------「共学高校のゲンジツ」は、ネームから作画までオールデジタルだと聞きました。制作の流れを教えてください。


 


さぬい「僕は原作とネーム作り。そしてコマ割りまで担当しています。ネームは最初っからパソコン全開です。現在の環境はプロットはマイクロソフトのOneNote2013を使い、ネームはComicStudioEX4.0と液晶タブレットで描いています。デジタルのいいところは、書き直しやコマの入れ替え、拡大縮小が容易にできることですね。それに尽きます。昔、ネームを紙に描いていた時は、一本の作品で消しゴム1個なくすくらい書き直していたのに、消しカスも一切でないのがいいところですね」


 


 


 


 


画像3 さぬい先生作業机_s.jpg


さぬい先生のネーム作成マシン。液晶タブレットにキーボード、iPadなどが並ぶ。



鉛筆や消しゴムは一つも無い。



 


 


 


 


画像4 ネーム書き_s.jpg


液晶タブレットに直接ネーム(下書きの下書き)を書き込む。



これがデジタルのネームだ!





 


伊丹「僕の担当は作画。さぬいが編集さんからOKをもらったネームに、実際に絵を描いていきます。Gペンや原稿用紙は一切使わずに、液晶タブレットに、さぬいが描いたネームを元に人物などを描いてますね。ソフトは「ComicStudio EX 4.0」と「IllustStudio」を使っています。さぬいのネームを元にコマ割りをして、作画していきます。」


 


 


 


 


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伊丹先生の作画マシン。液晶タブレットとキーボードとマウス。



今の時代、これだけ揃えば作画できてしまうのだ。



 


 


 


 


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基本は、液晶モニターに専用のペンで作画。



原稿用紙やGペンなどは一切使わない。



 


--------ストーリーは、2人で話合って作っているんですか?


 


伊丹「さぬい1人で作っていますね! 完全なタテ割り。ネームが完成するまで、僕は一切ノータッチです。コンビでやる上で一番大切なのは、余計な口出しはしないということだと思うんです。だから、『共学高校のゲンジツ』は、ほぼ完全に「さぬい→編集者→伊丹」の流れで作っているんですよ。ごくたまに、「作画が難しいキャラや衣装はあまり出さないでくれ!」とお願いする程度ですかね(笑)」


 


さぬい「僕も、作画に関しては、すべて伊丹に任せてますね。原作と作画を2人でやろうとするなら、そういう部門別の割り切り方をすることが、コンビで長くやる秘訣だと思います。


 


伊丹「いや、さぬいは、たまに僕の描いた絵に、「ここにもっと光を当てて!」とか、注文つけてくることはありますよ(笑)」


 


--------最後に、お2人とって『共学校のゲンジツ』の見所を教えてください。


 


伊丹「作画担当の僕としては、女の子の顔や表情は、特に力を入れて描いてます。あわてふためいたり、恥ずかしがったり、アタフタするシーンでの喜怒哀楽の表情を見て、感情移入したり、楽しんでいただけるとうれしいですね。」


 


さぬい「タイトルの『共学高校のゲンジツ』にあるように、バラ色の学園生活というよりは「ゲンジツ」の部分にスポットを当てたまんがです。でも、実際、その「ゲンジツ」の中にも、甘酸っぱさや感情を揺さぶるような展開が、どこかに潜んでいる。そんなドキドキ要素を、いい意味で裏切れるような作品かな...と思います。」


 


 


 


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『共学高校のゲンジツ』1〜3巻好評発売中



 


 


<インタビュー:石川キンテツ>






【初出:コミスン 2014.02.01】

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