2013.12.11
テレビ業界の闇に挑んだ女子アナの行末は......『電波の城』ついに完結!<後編>
発売中の「週刊ビッグコミックスピリッツ」2・3合併号でついに完結を迎えた『電波の城』。衝撃の結末はもうご覧いただいたでしょうか? コミスンでは細野不二彦先生にとっても『ギャラリーフェイク』『ダブル・フェイス』に次ぐ長期連載となった本作のこれまでを振り返りつつ、この機会にまとめて読みはじめようという人に向けて本作の魅力を紹介したいと思います!
テレビ業界の闇に挑んだ女子アナの行末は......『電波の城』ついに完結!<前編>
テレビの未来と、詩織の過去と 『電波の城』前半は、女子アナの頂点を目指す主人公・天宮詩織のいわば「成り上がり」の物語。詩織とライバル女子アナやタレント達との「女の戦い」を通じて、華やかなテレビ業界の裏側を描いています。物語後半では、インターネットメディアの台頭やソーシャルメディアの隆盛を受けて変革の時を迎えるジャーナリスト達の姿を横目に、いつまでも詩織につきまとう過去を描き出していきます。 数々の困難を乗り越えて、ついに中央テレビの報道番組「ニュースEX」でスポーツキャスターのポジションを得た天宮詩織。しかし、メインキャスターの立花哲人は、トップジャーナリストの本城律子をして「テレビ業界の大妖怪」と言わしめる曲者でした。 その立花は、テレビ局の会議室の片隅で冴えないジャージ姿で寝転んでいたかと思えば、誰にも伝えずに初回放送の中継ゲストとしてアメリカ合衆国大統領を登場させるサプライズも敢行する男。そのトリッキーな振る舞いに詩織も翻弄され続けます。 ある日、立花は領土問題に揺れる尖閣諸島の魚釣島に強硬上陸。彼は謹慎処分となり「ニュースEX」はいきなりメインキャスター不在の事態になります。 そんな最中、詩織はプロ野球日本シリーズの優勝監督、千葉ユニコーンズの鹿々谷監督に生放送でインタビューを行いますが、和やかな取材が一転、立花の謀略により記者の不正な取材方法についての暴露ネタへと変わり、番組は大混乱。ゴールデンタイムのキャスターとしての彼女のキャリアは、いきなり前途多難なものに...... 謹慎から番組に復帰した立花が力をいれた企画は、なんと詩織の出生の秘密にも大きく関わるカルト宗教団体「レムリア教団」の追跡取材......! 教団の生き残り信者の正体を巡るうちに、思いがけぬ大事件が......その出来事をきっかけに、物語はクライマックスに向けて大きく舵をきり始めます。 詩織が「ニュースEX」の現場で翻弄されている頃、本作の語り手でもあるジャーナリスト、谷口ハジメはキー局の報道の在り方に疑問を抱き、ローカル局テレビムサシの記者に転身、新しいスタイルの報道番組記者を目指します。かつて丸の内テレビでは冷遇されていた彼ですが、権力におもねらず愚直なまでに地道な取材を重ねる姿が、世間の評価を受け始めます。 そんな谷口に強く惹かれ、その存在に安らぎを覚えるようになる詩織ですが、皮肉にも彼が尊敬する先輩ジャーナリスト三隅が、それまでひた隠しにされてきた詩織の過去をつきとめてしまい...... 幼くして社会の裏側に迷いこみ、日影で生きることを余儀なくされた少女、天宮詩織。その反動から華やかなテレビ業界で女子アナの頂点を目指すことになった彼女が、テレビ業界で成し遂げたかったこととは? 真実を追うジャーナリスト、谷口ハジメによって語られる、この物語の結末はいかなるものか? 是非作品を手に取って確かめてください! (コミスン編集チーム・平岩真輔)
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電波の城(1)
【初出:コミスン 2013.12.11】
スピリッツ,最終回,細野不二彦,電波の城