2013.10.05
ラクガキ大会でみつけた漫画家まとめ《島本和彦先生編》#小学館ラクガキ
[ラクガキ大会レポート その10]
小学館ビルに描かれたラクガキの中から、「ゲッサン」で『アオイホノオ』を連載中の島本和彦先生の描いたラクガキをまとめて紹介します! 8月9日。ラクガキ大会当日、藤子不二雄(A)先生との「月刊!スピリッツ」インタビュー取材を終えて、会場に現れた島本和彦先生。赤いベレー帽を被ったその姿は、これ以上表現しようがないほどに"ザ・ 漫画家"のイメージそのもの。そう、漫画家といえばベレー帽! 颯爽とペンを手にした島本先生がメイン壁に描いたのは『アオイホノオ』の主人公、焔燃(ホノオ モユル)。大作家芸術大学に通いながらデビューを目指す未来の漫画家と、それを取り巻く仲間たち(これも未来の有名クリエイター揃い!)の青春を描いた、島本版『まんが道』とでもいうべき作品です。その焔燃君、新人賞目指して投稿を続けている作品中より一足先に、小学館ビルに到達した様子。ラクガキながらベタまで入れる熱血ぶりが、島本先生らしい! さらに藤子不二雄(A)先生に見守られながら描いたのが『オバケのQ太郎』のQちゃん。焔燃の背中から意気揚々と飛び出すQちゃん、これは文字どおりの背後霊というやつでしょうか......? 描きあがったQちゃんのラクガキを背景に記念撮影をする、A先生と島本先生。ダブルQちゃんのレア写真です。 「石ノ森ヒーローなら俺に任せろ!」とばかりに応接スペースのガラス壁に石ノ森章太郎先生の名作『サイボーグ009』の主人公、009(島村ジョー)と002(ジェット・リンク)を描く島本先生。チャリティ単行本『ヒーローズ・カムバック』でも未完の「天使編」をモチーフにした読切作品を発表しています。浦沢直樹先生による003、004、006との競演で『サイボーグ009』のファンにはたまらないコラボが完成したのでした。 浦沢先生が窓ガラスに描いた『20世紀少年』のケンヂに、なぜか「ケンヂをやるぞっ!」と襲い掛かる『炎の転校生』の滝沢昇&ブラック滝沢。唸れ!必殺のW滝沢キック!!......って、先生、それ完全に悪役にしか見えません!(笑) ロビーの柱に描かれた、『風の戦士ダン』の集合絵。デビューして間もない島本先生が、『美味しんぼ』以前の原作者・雁屋哲先生とタッグを組んだ記念碑的作品です。この絵の完成度の高さは、もはやラクガキの域を超えている感が......! 描いている途中の島本先生の姿も、まるでキャンバスに向かう画家のようでした。 <記事:平岩真輔(コミスン) 撮影:太田真三、大槻志穂、外山亮介、西村千春、林紘輝、ぺらねこ、三輪憲亮、横田紋子>
【初出:コミスン 2013.10.05】
ゲッサン,小学館ラクガキ,島本和彦,漫画家