2026.11.02
第423回スピリッツ賞 結果発表!

デビューに一番近い新人賞!!
奨励賞1本&努力賞3本! 関係性への眼差し光る秀作揃い!

【奨励賞】賞金10万円
『愛してるよかぱ丸っ!』
石川 薫┃東京都・26歳
あらすじ
テーマパークに足繁く通う26歳独身女性・琴乃。お目当てはマスコットキャラクターの「かぱ丸」だ。ある日、同じ かぱ丸推しの智久と出会い、意気投合。まっすぐな智久が教えてくれたのは、人を信じて気持ちを伝えることの尊さだった。そんな中、思いがけず智久から好意を告げられた琴乃は、断ることができず――!?
賞担当より
男女の「趣味友だち」の現代的な関係性を描いた一作。オタクである琴乃と智久、不人気マスコットキャラクターである かぱ丸は、いずれも決してキラキラした存在ではありませんが、造形や動作・表情などに個性と愛嬌がありました。作者がキャラクターに愛情を持ち、かつその「なんだか可愛い/面白い」を読者と共有するため、技術とバランス感覚を磨かれたことがわかります。

【努力賞】賞金3万円
『Freed up』
谷口┃兵庫県・18歳
『よんマンセル』
所弘志朗┃東京都・31歳
『男のコの責任』
ひろふか┃愛知県・32歳
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総 評
この度は、第423回スピリッツ賞にご応募くださりありがとうございます。今回は粗削りながらも、切り口が光る受賞作が並びました。“メガネの傷”で人生と時間を表現した『よんマンセル』や、スケボーを鮭と重ねた『Freed Up』。恋愛と言い切れない複雑な関係を描いた『愛してるよかぱ丸っ!』『男の子の責任』も独特の魅力がありました。
日常会話でもなんでも、「この人が言うから伝わる」言葉があると思っています。逆に「伝わらない」言葉も。両者の差は、“その人らしさが宿っているか”ではないでしょうか。漫画には技術が必要で、様々なテクニック指南が乱立しています。しかし、最も重要なのは…描いているその方の歩んできた人生・言葉・目線。そういう自然な感覚から生まれた表現にこそ、替えが効かない納得感が宿るのだと思います。そして、それは本人が一番コントロールできないものだ、とも。もしかすると、根拠のない自信が重要なのかもしれません。
歌手や俳優さんを想像すると、衣装や髪色のような変えられる魅力だけでなく、体格や声質などの変えられない部分が武器になっています。漫画でも、ギョッとするような台詞や作画の癖など、なぜ面白いのかわからないが この作者が描くと魅力に感じる…そんな武器があるはずです。そこに根拠はなくてもいい。
少なくとも、応募作に惹かれた編集者はあなたの「変えられない部分」を好きになっています。だから新人作家さんも「自分にはなんだか魅力があるらしい」と信じていてほしい。そして、変えられる部分を磨くために一緒に悩んでいけたら嬉しいです。今回受賞された方々の今後の作品も楽しみにしています。
(スピリッツ賞講評担当B)
