2025.10.27
第411回スピリッツ賞 結果発表!

デビューに一番近い新人賞!!
努力賞3本!! 吹き荒れる、インスピレーションの暴風雨!

【努力賞】賞金3万円 『月スピ!』掲載確約
『たいむましん・エスケープ』
壱壱 栃木県・20歳
編集部より
大学受験を控える高校生、吉田。上がらない成績に焦りを感じる中、帰り道でクラスメイトが「タイムマシン」を作っているところに出くわす。成績優秀な彼の奇妙な行動に、吉田はつい声をかけるがーー焦燥や劣等感がリアルに描かれており、気迫のこもった感情表現に目を見張りました。構図に工夫を感じる箇所も多く、絵で魅せることのできる作家さんだなと感じました。

【努力賞】賞金3万円
『そこにいない私たち』
笹野 烈 静岡県・21歳
編集部より
転校生のみおは、気さくに話しかけてくれたクラスメイト・吉田と仲良くなる。しかしどうやら彼女は、学校で馴染めていないようでーー思春期の共依存的な関係が丁寧に描かれており、不安感や感情の揺れ動きに引き込まれました。少し歪で、だけどまっすぐな彼女たちのキャラクターにとても好感が持てました。一方で物語全体としてはやや冗長さもあるため、次は構成を意識して描いてみてください。

【努力賞】賞金3万円
『By this river』
たらちん 東京都・27歳

総 評
多くの皆さんは、人生で一度くらいは『ルパン三世』という作品に触れて育ってきたことかと思います。その作者である「モンキー・パンチ」さんは(他誌ですが)かつて新人賞の審査員をされており、「社会秩序や大人が決めた道徳、身についてしまった固定観念を捨てること」「そして先達からいいところをどんどん盗むこと」の2点を推奨しておられました。同時に「ただ盗むだけでは軽蔑されてしまう。そこに個性を乗せなさい」とも。『ルパン』連載当時の評判を自分は知りませんが、当時の世の中においてどれほど鮮烈な作品だったのか。考えるだけでワクワクします。若き日の氏がそういった意識の下で生み出した作品だからこそ、現在もなお愛され続けているのでしょう。誰にも縛られず、誰の制約も受けずに、あなたの頭の中を自由に表現していい媒体がマンガです。これまで触れてきた作品のよいところはどんどんお借りしつつ、その上で「あなただけの世界」を見せてほしいと願います。今後も力作をお待ちしております。