トップ  >  第402回スピリッツ賞 結果発表! ( 2025/01/27 )
週刊スピリッツ

2025.01.27

第402回スピリッツ賞 結果発表!

週刊スピリッツ

デビューに一番近い新人賞!!

奨励賞×4本、努力賞×1本!! 才能光る珠玉揃いの受賞作!

 

【奨励賞】賞金10万円 『月刊!スピリッツ』掲載確約!

『しずかにひかる』前野涼夏(愛知県・23歳)

編集部より

女の子みたいな名前がコンプレックスの男子高校生、しずか。クラス替え後初めて話した女の子から名前を褒められたことがきっかけで、恋に落ちていく。パッと華やぐような等身大のときめきが心地よく、後半の展開もとても練られていて、いい意味で裏切られました。

 

【奨励賞】賞金10万円

『血飛沫木蓮』夢宛案内中(広島県・25歳)

編集部より

凶悪犯罪者を見世物にしながら殺す“囚獄斬殺曲芸人”、血飛沫。悪趣味とも評される彼の元に派遣されたのは、一人の女給だったーー刀しか知らない男が恋を知っていく細やかな描写と、大胆かつ繊細な筆致で描かれるアクションに魅了されました。素晴らしかったです。

 

【奨励賞】賞金10万円

『叢雨』須山 昇(神奈川県・46歳)

編集部より

侍の屍がゴロゴロと倒れている戦場で、“畜生”を探す少年。雨が降り注ぐ中、彼が見つけたのはーー美しく奥行きのある絵力と、言葉を必要としない表現力に脱帽いたしました。ページをめくらせる力があります。欲を言えば、この先の少年の物語を読みたいと思いました。

 

【奨励賞】賞金10万円

『浮田家の形』投稿太郎(三重県・33歳)

編集部より

ギターをかき鳴らす弟にそれを叱る姉、そして帰宅する陽気な父。どこにでもいるような家族だが、次第にトラブルに巻き込まれていく……表情豊かな家族がコミカルで、ページをめくる度にどんどん状況が悪くなっていくにも関わらず、カラッとした読み味なのが印象的でした。オチも明るく勢いがあり、よかったです。

 

【努力賞】賞金3万円

『時代遅れのサムライ』与那嶺小鉄(福岡県・19歳)

 

総評

漫画に限らず、何かを作り出し、完成させるという行為には「決断力」が求められるのではないかと思います。漫画でいえば「枚数」や「締め切り」といった制約が存在する中で、(あれもこれも作品に込めたい…)と思っている段階で手を動かすことはとても難しいという方がおそらく大半でしょう。どれほどの大作家さんであっても、「もっとも描きたいものを生かす」ため、常に優先順位をつけながら作品という形に落とし込んでおられます。それは勇気が必要な行為であり、同時にとても怖い行為です。それでも、(この展開や会話は物語にとってどれほど重要だろう…?)(『どうしても描きたい部分』と『そうでもない部分』のバランスは悪くなってないだろうか…?)そんなことを意識してみてください。完成度は格段に違ってくることでしょう。今後も力作をお待ちしております。