トップ  >  第3回 ヤングスペリオール新人賞結果発表!! ( 2019/09/27 )
ビッグスペリオール

2019.09.27

第3回 ヤングスペリオール新人賞結果発表!!

ビッグスペリオール

今、最もアツいネオ青年誌が熱望するのは、「未知なるオモシロ」!!


引力抜群の新人賞は今回も大豊作!! 結果発表&審査員インタビューをどうぞ!!



大賞 ブスと夢と少しの金


真夜 匡│19歳│東京都

今号電子版に掲載!!!
■ストーリー:ブスが理由でいじめられている主人公には、整形して皆を見返してやるという夢がある。ある日イケメンアンドロイド貯金箱“アンディ”を手に入れた彼女は、夢のために彼と怒涛の貯金を始める!!
●大武ユキ氏評
無機物との心の交流は読み物として好物なので、楽しみました。安直に恋愛感情とか持たせないクールさと、アンディ(名前も笑った)のキャラも良い。
●柳本光晴氏評
この漫画は本当に好きで、キャラが良くて、会話やギャグのテンポも良くて。もっと続きが見たい。ただラストの、とってつけたようなハッピーエンドは良くない。



審査員賞 とみとさち


岡田竜介│34歳│福岡県

今号電子版に掲載!!!
■ストーリー:大衆食堂を営む“とみ”と“さち”の老夫婦(&スクーターのトミー)。1年前に一人娘を失い、ショックで笑わなくなった孫の“未来”と暮らしていたが、ある日“とみ”が突然の家出。その理由は…
●大武ユキ氏評
お話としてはやや平凡だが、絵がめちゃくちゃ上手く、構図とコマ割りが映像的で好き。造形的にも表情的にもキャラの顔が良く、華がある。



佳作 昇華の色彩


きよさわありさ│19歳│長野県

■ストーリー:人の絵を描くとその人が死ぬ、“呪われた美術教師”。何故か彼を慕う女子生徒に惹かれ、彼女を描きたい欲に囚われる…
●柳本光晴氏評
自分の世界観を持っており、設定の工夫もできているので、そこを面白さにつなげてほしい。キャラが生きていないので、スカさずにちゃんと会話をさせてください。


佳作 トラガス


Σ│19歳│東京都

■ストーリー:クラスの女子・笹原さんには、耳の軟骨のピアス“トラガス”が開いている。そのエロさに注目する主人公は、日々悶々…
●大武ユキ氏評
フェティシズムだけで描いたのは感心だけど、半分のページ数で描けた。全体的にもう少し丁寧に描いてあれば読みやすかった。


佳作 ゆるやかに死んでく


モイタナナミ│22歳│東京都

■ストーリー:万年長袖の深田さんには、人気者の彼氏がいる。同級生からは気味悪がられる地味キャラの彼女に、彼氏がいる理由とは…
●柳本光晴氏評
漫画のキャラは嫌われてもいいですが、愛されないと駄目です。深田さん、なんというか、可愛いです。ただ、裸のシーンのこれは…葛藤です。




奨励賞 アレルゲンたちの赤い糸


芝浦晴海│29歳│千葉県



●編集部総評
この度は第3回ヤングスペリオール新人賞にご応募いただき、ありがとうございました。数ある新人賞の中から、弊誌の新人賞を選んでいただいたことに、まずは感謝を申し上げます。
ところで、そんな弊誌の表紙に毎号、標語のようなものが入っているのをご存知でしょうか。この号だと、ロゴ「スペリオール」の「ス」の中に入っています。
「マンガはもっと自由だ!」と。
残念ながら、私はこの標語をつくった人間ではありません。が、面白いマンガを読んでいる時、人の心はその世界に没入して自由になります。そして、そうした面白いマンガとは、作家さんが、真っ白な紙(空間)に点と線とで何を描いてもいい自由の中から、まだかたちのない面白いマンガを、描き出していこうとしていく軌跡が、読者の心を動かしているのだとも言えると思います。
そしてもう一つ残念ながらですが、総じて言えば今回の応募作の数々は、編集部と審査員の先生がたが没入してしまうほどの水準と量ではありませんでした。
編集部が新人賞の応募作を選考する際のポイントは、まずはもちろんですが面白いかどうかです。ざっくりいえばそれが全てです。ですが、更にその先に、読んで何か面白みが、「きらめき」が「ひっかかる」作品では、作者の皆さんがその原稿でどれだけいかに自由に面白さへと取り組み追及しているかを追おうとします。キャラクター、絵、セリフ、リズム、ストーリーなどなどで(違う言い方をすれば「ひっかかり」「きらめき」が多ければ多いほど、面白い、もしくは気になる作品になります)。各賞講評の欄にあるように、今回の各受賞作それぞれの作品の中に、「ひっかかり」「きらめき」がありました。惹かれました。ですから新しい面白い作品・才能との嬉しい出会いはありました。あらためて感謝を申し上げます。
ある一人の作家さんが、たとえぼんやりとでも小さくでも、これは面白いのではないか、と思った段階から、面白さの核心はあるのです。ぜひぜひそれを抉り出し、膨らまし、磨き上げてください、自由に。
マンガはもっと自由です! スペリオール編集部は何本でも待っています!(副編集長 櫻井)