トップ  >  【動画あり】漫画を支える職人の魂!進化するGペン――ゼブラ野木工場・ペン先課取材レポート ( 2015/07/17 )
週刊スピリッツ

2015.07.17

【動画あり】漫画を支える職人の魂!進化するGペン――ゼブラ野木工場・ペン先課取材レポート

週刊スピリッツ
漫画家を象徴するアイテムといえば、ベレー帽とつけペン。そのつけペンを100年以上にわたって作り続けてきている代表的なメーカーのひとつが、ボールペンやマッキーなどでおなじみのゼブラ株式会社です。




デジタル作画環境の普及などにより、アナログ画材を手にすることが減ってきた昨今においても、その線にこだわりを感じてつけペンを使い続ける漫画家は少なくありません。
長年、職人の手によって作られ続けてきたつけペンのペン先は、後継者問題などもあって、将来的に供給されなくなるのではという不安から、大量の予備を買いだめしているという話もよく耳にします。





そんな状況の中、ゼブラ株式会社が2014年に発売したチタンGペンプロは、その洗練された描き味もふくめて、多くの漫画家から驚きをもって迎えられることになりました。




そのチタンGペンプロを製造しているゼブラ野木工場のペン先課を、『ほんとにほんとにほんとにほんとにライオン田!』(やわらかスピリッツ)の石神しし氏とともに取材してきた(レポート漫画はこちら)ので、実際の工場内の様子を写真と動画でお届けします!!





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これが2014年に発売されたチタンGペンプロ




その使いやすさは、すでに完成された道具だと思われていたGペンのイメージを一新するほど。実際に使ってみた漫画家のみなさんにいただいた感想は以下の通り――!







つけペンなんて使いにくいモノをなんでみんな使うんだろうって思いながら、意地で使い続けていたところがあるんですが、チタンGペンプロは初めて使いやすい! と感じました。難点といえば、ちょっと高いことと、いつまでも使えそうな気がしてペン先の替え時が難しいことくらいです!
(ムラタコウジ/月刊!スピリッツ『野球部のヒロコせんせい』




Gペンが苦手で、外国製の丸ペンで原稿を描いていたのですが、今はゼブラのチタンGペンプロで主線を引いています。程よく硬く、程よく柔らかく、同じペン先で太い線と細い線を描き分けられる期間が長いのも魅力だと思います。つけペンに挑戦して、扱いづらさに辟易していた方がもう一度トライしてみる価値のあるペン先だと思います。
(松島直子/IKKI『すみれファンファーレ』




ここ数年は主線も太くなった丸ペンを使っていて、Gペンは久しぶりですが、とても使いやすかったです! Gペンならではの強弱のつけやすさは、改めて魅力だなと思いました。丸ペンで線を重ねて太い主線を描くのは線に隙間ができてしまい、スキャンしてデジタル作業するには向かない感じがしていたので、このGペンはデジタル作業をするのにとても役だつ気がします。
(久世みずき/ちゃお『真代家こんぷれっくす!』




普段使っているGペンは当たりはずれがある気がするのですが(コンディションや墨の具合でも違ってくるので、自分のせいかと疑心暗鬼にもなるのですが...)、チタンGペンプロは総じてどれも当たりで、それは今までになかったことだと思います。やはり描きごこちが滑らかだという実感もあります。ここぞというときは、このペン先で描き上げていきたいですね。
(宮下裕樹/サンデーGX『東京カラス』







......と、絶賛の声が多数!!




にも飽き足らず、さらなる描き心地を追求して新たなペン先の開発を続けているゼブラペン先課を尋ねて、行って来ました栃木県野木町!!





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JR宇都宮線「野木」駅からほど近い工場地帯の中にあるゼブラ野木工場。その最奥部の一角にペン先課がある。





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工場内の最新の製造ラインとは一線を画す佇まい。100年以上前の創業から続くペン先製造がここで行われている!





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Gペン製造ライン。金属板のロールがこの2台のプレス機によって加工され、Gペンが製造されています。





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現役バリバリで製造に使われているプレス機のプレートには、昭和38年2月製造の刻印が......! 大量生産される最新のボールペンなどと異なり、新しい製造機器の導入はなかなか難しいようです。





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金属板のロールを1台目のプレス機でGペンの形に打ち抜いて、2台目のプレス機でペン先らしい形に曲げ加工を施していきます。










ひとつずつ切り離されて、見慣れたGペンの形になったものが次々と出来てきます!! これに「焼き入れ/焼き戻し」という熱処理加工を施すと、弾力と硬さを伴ったペン先になります。さらに研磨加工を施して、プレス加工時にできた"バリ"を取り除きます。





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次に、グラインダーを使い、Gペンをしなりやすくするために横方向の溝をつける「先摺り」加工を施します。Gペンをセットする治具と砥石の間はわずか数ミリ! ここに手作業でひとつずつペン先をセットして加工していきます。ベテランの職人はこれを1日で5000個近くこなすとのこと......!





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「揃え」工程では、先摺り加工を施されたペン先の向きを揃えて、次の工程に備えます。穴の開いた木箱に大量のペン先を入れて機械で揺らすと、あっという間にGペンが穴に納まっていく様子は圧巻! さらに手作業でGペンを重ねて金属製のガイドにセットしていきます。





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ペン先がセットされたガイドを「先切り機」と呼ばれる裁断機にセット。この工程でGペンの先に切れ目が入ると、いよいよ見慣れたGペンそのものに。さらに先端をカットする際にできた極小のバリを研磨加工で滑らかにして、ペン先の引っかかりをなくします。




こうして作られたペン先にメッキ加工などの表面処理を施して、ようやくGペンが完成します!





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さらにひとつひとつのペン先の品質にこだわるため、完成したペン先は目視と立体顕微鏡を用いた全数検査を行っています。この徹底した品質管理に職人のプライドを感じざるをえない!!




こうして生み出された大量のペン先が、漫画家のみなさんの手元へと渡っていきます。
しかし、ペン先課の皆さんの仕事はこれで終わりではありません......!





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ペン先の耐久性や描き味など最新の計測機器を使ってのテストや、漫画家が実際に使って絵を描く際の筆圧を計測してデータを集めたりなど、さらなる品質アップに向けての研究を日々続けているのです。




数年前、熟練の職人が退職したことでGペンの品質が低下し、漫画家のGペン離れに繋がったといわれていますが、それに奮起したペン先課では4年間でのべ1000人以上の漫画家・イラストレーターにヒアリングを行い、素材や製造方法から検討しなおして「漫画用Gペン」「チタンGペンプロ」といった次世代Gペンを送り出すことに成功したのです。まさに職人の魂が込められたペン先!!





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8月24日発売の最新ペン先ハードGペン







そうした日々の研究開発の成果として、漫画家ごとにまったく異なる筆圧や描き癖に応えるため、さらなる進化を遂げたハードGペン8月24日(月)に発売されることが今週発表されました。この飽くなき職人魂の成果がいかなるものかは、発売に先立ってハードGペンを使って描かれた石神しし氏によるレポート漫画をご覧ください!!





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ゼブラ ペン先課の皆さん







ハードGペンを使って描いた野木工場ペン先課のレポート漫画(漫画:石神しし)を読む







ハードGペンについての詳細はこちら!!
 ・ゼブラのつけペンサイト(新しいGペン登場)
 ・筆圧に負けない『ハードGペン』 2015年8月24日(月)発売(ニュースリリース)





(コミスン編集チーム・平岩真輔)



【初出:コミスン 2015.07.17】

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