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カレー沢薫・輝きかけの人生コラム「薫の小部屋」第16回更新!

2015.06.29

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今回のテーマは「冷えと6月と権力者」です。
梅雨を乗り切る上級者ファッションをご紹介しちゃいます!







◆ ◆ ◆








6月である。
1年で一番寒い月は? と聞かれたら多くの人が、1月や2月と答えるだろうが、6月も相当寒い。冬の寒さには文明の力で対抗できるが、6月の寒さというのは、武器を奪われるばかりか、逆にそれらが襲い掛かってくる季節なのである。




私はとにかく寒いのが苦手だ。実家にいた頃など、ストーブ2台を至近距離で左右に置き、「暖を取っている」というよりは、「調理されている」ような形でネットサーフィンをしていた。あまりに暖房器具に近すぎる生活をするため、「低温火傷」は私にとって、もはや冬の季語であり、皮膚に禍々しい模様ができるのだが、「タトゥーみたいで逆にカッコいい」と思うようにした。それぐらい、寒さが耐えられないのだ。




6月が何故冬に負けず劣らず寒いかというと、まず梅雨である。6月といえど、一日中、太陽が出なかったらかなり寒い。そして、6月になると会社では衣替えがある。昨日まで、冬服に冬のカーディガンを羽織っていた人間に、突然「半袖になれ」と言うのだ。ブスに「夏休み明けにデビューしろ」と、ギャル雑誌を押し付けるぐらいの暴力だ。
そこまでならまだ許せるが、6月になると社内の熱がり野郎たちが、朝からクーラーを入れたりする。この時点で半袖の上に冬物のカーディガン、という"寒暖MIX上級者コーデ"をしている私には意味がわからない。出来ることなら、クーラーが効いている中でストーブを使いたいと思っているが、そのような行いは石油王にしか許されないだろうし、どうみても変態だ。




このように、冬に寒さと闘う姿は普通だが、6月に闘う姿はおかしい。先日、クーラーによる頭痛がひどいので、ホッカイロで首を温めるという対抗策を試みたが、端から見れば相当クレイジーだったと思う。
そんなに寒いならクーラーを切ればいいじゃない、と思われるかもしれないが、もちろん木っ端OLにクーラーのスイッチ権などない。おそらくこういう状況で、冷えに苦しむOLは多く存在すると思う。だから、しょうが入りカップスープなどがバカ売れしてしまうのだ。なので、そういうメーカーは、女性の冷えを助ける商品は作っているが、商品が売れなくなるので社内の温度はガンガンに下げて欲しいと思っているはずである。
それにしても、クーラーのスイッチ権を持つ人間は、総じて暑がりな気がする。もしかしたら権力者となる人間は、みな暑がりなのかもしれない。




そう考えると、超冷え性である私は、生まれながらの被支配階級ということになり、権力者のつけるクーラーに震えているのがお似合いなのかもしれない。と、少し納得もできた今年の6月である。






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【初出:コミスン 2015.06.29】

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