トップ  >  【連載コラム】オリジナル40周年記念『オレとオリジナル』。第1回は黒鉄ヒロシが登場!! ( 2014/05/14 )
ビッグオリジナル

2014.05.14

【連載コラム】オリジナル40周年記念『オレとオリジナル』。第1回は黒鉄ヒロシが登場!!

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今年、ビッグコミックオリジナルは創刊40周年。その40年を支えてきた作家の方々はもちろん、著名人読者の方々にビッグコミックオリジナルを語っていただく特別コラム、スタート!!




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第1回【黒鉄ヒロシ氏】







《プロフィール》1945年8月3日生。高知出身。1968年双葉社漫画ストーリー誌にて『山賊の唄が聞こえる』でデビュー。1972年よりビッグコミックに『赤兵衛』を連載開始し、1974年オリジナル創刊からはビッグ本誌と同作を同時連載(続行中)。2002年、『赤兵衛』で第47回小学館漫画賞審査委員特別賞受賞。2004年に紫綬褒章を受章。近著『千思万考 乱之巻』はテレビ朝日系列「SUNDAY! スクランブル」からの単行本化シリーズ第三弾。





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「かくあらねば」がいかにつまらないことか。






現在のオリジナル連載陣の中では、創刊時から毎号連載を続けておられる唯一の作家が黒鉄ヒロシ氏。オチの効いた余談も含め、正に千思万考なお話を伺った中から、ここではオリジナルと40年、という部分に絞ってご紹介。




──こちらに用意したのは、ビッグコミック本誌の増刊枠から独立して新創刊した、オリジナルの創刊号です。




黒鉄 正直あんまり記憶にないね。いや、本誌の方で描いていたのと続いてたし、当時は創刊ラッシュで、僕は10誌ぐらいに連載してテレビもラジオも出て、訳のわからない状態だったから。それからもう40年。




──黒鉄さんは、デビューがビッグ本誌の創刊と同じ年('68年)なんですね。




黒鉄 デビューといっても、その当時を喋ろうとすると、時代背景から話さないと伝わらないってことを最近痛感してるところなんですよ。僕らの頃では、ビートルズが来日したでしょ。その衝撃の中で「かくあらねば」というのがいかにつまらないことか、と思った。そして、自由業というものの穴が突如開いたんですよ。会社員になるものと誰もが思っていたのが、マンガ家や音楽家やデザイナーになろうとする人が急に増えた。そういう中で、僕はマンガ家になるか、ギャンブラーになるか、マンガと麻雀、マのつくことにしか能がないんだ。マンガならではの自由、映画でいえば監督・脚本から主演や女優も自分でやれる上、どんな絵やテクニックを使ってもいいんだ、そう思って、マンガがうまくなりたくて美術大学に入ったんだから。幸運だったと思うのは、先輩に園山(俊二)さんや東海林(さだお)さんたち早稲田マン研の方々がいて、それ以前の時代とは状況が違っていたこと。色指定を使ったのだっておそらく僕が最初だけど、色指定とはナニゴトかって言われたし、オチのコマを大きくしたら、当時の固定観念で「原稿料ドロボー」って言われたけどね。それらも含めて、アイデアは「出る」と思えば必ず出るものだからね。マンガを描いて生きて行こうなんてことは、自由業の放蕩、エロチックなことです。




──では現在、黒鉄さんにとってオリジナルとは。




黒鉄 墓石みたいな、というと印象が悪いだろうけど、これがあればわざわざ自分の墓なんかはいらないということですね。その墓石の裏を見れば、執筆者の名前が全部書いてある。何十年後かに、ボロボロのオリジナルが酒場の隅にあって、それを見た人が「何だこれは!」と思うかも知れないじゃない。そう考えたら、手を抜けないな。それが「文化」、そして「遊ぶ」っていうことです。ではそもそも文化とは何であるか、ということについては、また別の機会に(笑)。





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ご存じ、赤兵衛







至高のナンセンス・コミックが、超豪華オールカラー&描き下ろしイラスト満載で単行本化!!





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『赤兵衛』







 日本古典文学の名作を原典に沿ってビジュアル化!
全段、流麗、風雅、爆笑、感動、入魂の漫画作品に!!





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『伊勢物語』







■次回予告:第2回 村上もとか氏
<5/20(火)更新予定>





(担当:ビッグコミックオリジナル編集部)

関連リンク
ビッグコミックオリジナル公式


【初出:コミスン 2014.05.14】

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