2021.03.22
第355回スピリッツ賞 受賞作発表!
第355回スピリッツ賞に多数のご応募ありがとうございました。センス輝きあふれる3本が受賞
【佳作】賞金10万円
『七日蝉』城山(佐賀県・22歳)
発症したら1週間以内に死ぬ、不治の病「空蝉病」に罹った大森千代子は、娘と二人暮らしをしている。死ぬ前にどうしても、顔も名前も知らない文通相手の人と会いたいと娘に言うが、娘は泣くばかりで中々会いに行かせてくれなかった。しかし、最終日にやっと会いに行けることになったのだが…!?
編集部より
感情を描くのが非常にうまく、終始心を摑まれました。また、3話のオムニバスで話が進み「空蝉病」に罹った人を描いていますが、それぞれに違った感動的なポイントがあったのも素晴らしかったです。この調子で読者の心に響く漫画を描き続けていってください。
【奨励賞】賞金5万円
『人魚の箱庭』TABE(群馬県・27歳)
死人の魂を喰らう人魚伝説の残る地の浜辺で目を覚ました主人公。目の前には、「うみ」と名乗る無口の少女がいた。しかし、主人公は自分の名前も、何をしていたのかも思い出せない。とにかく人のいる所に行かなくてはと思い、少女に案内してもらったところ…
編集部より
表現力のある絵に魅せられました。キャラクターの表情も感情に合わせて描き分けられており、読んでいて楽しかったです。素敵な絵で描かれるであろう次回作も楽しみにしております。
【努力賞】賞金1万円
『狂信者の館』Soe(東京都・20歳)
気がつくと知らない土地にいた。目の前には不気味な館が一つあり、自分の意志とは関係なくその館に吸い込まれた。そこでは、一風変わった人々が儀式のようなことをやっており…!?
担当者より
今回は佳作、奨励賞、努力賞それぞれ1作品ずつ受賞となりました。佳作受賞の城山さん『七日蝉』は、原因不明の病にかかった3人の人間のオムニバス作品でした。残り一週間という余命宣告をされた3人が、己の人生をどのように終わらそうとするのかが読みどころとなりました。作品では余生への向き合い方が三種三様に描かれており、まだ城山さんは弱冠22歳でありながらもこのような人間ドラマを描き切ったことが、今回の佳作受賞の結果となりました。ラストのどんでん返しは、全ての作家に持ってほしい「希望」だと思います。自らが考えた物語の設定に満足せず、人間の「希望」そして「成長」を描こうとした素晴らしい作品です。受賞者の皆さんはこれから担当と共に精一杯作品作りを頑張りましょう!
また、原稿の直接のお持ちこみも大歓迎です。