トップ  >  第353回スピリッツ賞 受賞作発表! ( 2021/01/18 )
週刊スピリッツ

2021.01.18

第353回スピリッツ賞 受賞作発表!

週刊スピリッツ

第353回スピリッツ賞に多数のご応募ありがとうございました。センス輝きあふれる7本が受賞

【奨励賞】賞金5万円

『紫伝』小笠暢久(埼玉県・17歳)

侍として人をあまた殺してきた主人公・紫伝は、そんな自分が許せず僧侶となった。しかしある時、人助けの為に人を斬った。そのことがお寺で問題になり、紫伝は自ら切腹すると言うのだが…

編集部より

圧倒的な熱量を感じて、一気に世界観に引き込まれました。エンタメ性も忘れることなく、描きたいテーマも確実に伝わる作品でした。ただ、細かなシーンの描写など、まだまだ技術的に未熟な所もありますので、これから多くの作品を描いていってください。

『歩道橋の少女』野口雅未(東京都・26歳)

就活も全く上手くいかず、路上ライブとバイトをしながら暮らしている28歳の主人公・水無瀬。周りからダメ人間だと烙印を押される気がして、いつも人通りの少ない歩道橋でライブをしているのだが、ある時、その歩道橋の上に謎の女子校生が急に現れ…!?

編集部より

所々に良いシーンがあり、魅せられました。また、読者を楽しませようとする仕掛けもありました。しかし、色々な要素を入れるあまり、全体として長くなってしまっていました。次回作では、もっと要素を絞って描いてみても良いかもしれません。

 

【努力賞】賞金1万円

『もう、いいよ。』あまつか れっか(大阪府・19歳)

中学生の音はいつも、屋上から真っ逆さまに落ちていく女の子の幻影を見ている。音は、以前、強姦現場を目撃した際に逃げるしかできなかったことが忘れられず、ずっと自らを責めているのだが…

 

『うちの学校に化け狐』山中 樹(神奈川県・32歳)

九尾の娘である こはるは、耳と尻尾を変化で隠し人間に紛れて高校生活を送ることになった。だが、転校初日から変化が解け、クラス中に気付かれる。しかし、当の本人は周りにバレていることに気付かず!?

 

『モンスターバーガーショップ』小畠みきやす(神奈川県・24歳)

ある日道端に奇形の動物の死骸があり、辺りは騒然としていたのだが、実はそれはハンバーガーショップから逃げ出したものだった。一見普通のハンバーガーショップの地下では、怪物を解体し、それを肉としており…

 

『さくらだ猫の隣歩き』ねこ川いが里(千葉県・25歳)

父の連れ子だった兄が家を出てから8年、兄は自殺した。元々仲の悪かった母は気にも留めず、主人公も大して悲しさを感じていない。母に頼まれ、兄のアパートの掃除をしに行くことになり部屋に入るのだが、そこには一匹の喋る猫がいて??

 

『夢うつつ』背後 銀(大阪府・25歳)

25歳のOL・真木は、最近仕事でもプライベートでもツイておらず部屋で一人お酒を飲みながら自分は“パッとしない”人間だったと落ち込んでいる。すると突然、意識だけが小学生時代にタイムリープし!?

担当者より

スピリッツ賞への応募ありがとうございました。今回は奨励賞2本、努力賞5本と、これから期待の才能が集まった回でした。奨励賞受賞の『歩道橋の少女』はしっかりと描き込んでいて好感の持てる絵でした。表情の描き分けを心掛けると、よりよくなるのではないかと思います。一方、同じ奨励賞受賞の『紫伝』は絵自体はまだまだですが、伝えたいことが明確で構図・コマ割りともに17歳とは思えませんでした。どちらも粗い点はありますが、それぞれに光る才能を持っています。平均点を目指す必要はありません。編集部では、粗削りでも一度読んだら忘れられない、そんなキラリとした瞬間を持っている皆さんの作品をお待ちしています!

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