トップ  >  第345回スピリッツ賞 受賞作発表! ( 2020/04/27 )
週刊スピリッツ

2020.04.27

第345回スピリッツ賞 受賞作発表!

週刊スピリッツ

 

第345回スピリッツ賞 受賞作発表!

第345回スピリッツ賞に多数のご応募ありがとうございました。受賞作3作を発表いたします。

【佳作】賞金10万円
『めりーくりすます』河井有吾(埼玉県・38歳)

漫画家を目指しながら地元の友人・磯山と暮らす河田。仕事も友人関係も何もかも上手くいかないことに加え、働きもせず家賃も納めず家で寝てばかりいる磯山に苛立ちが募る。そしてクリスマスの日、能天気な磯山に怒りがこみ上げ、家から追い出してしまい…

編集部より
背景から人物の表情に至るまで丁寧に味のある画で描かれており、非常に好感を持ちました。また、大ゴマをどこに持ってきて見せ場を作り読者を楽しませるかなど、演出上で工夫をしようという意志を感じられました。しかし、ストーリー展開とキャラ作りにはまだまだ改善の余地があります。一番描きたいことはなんなのか、どういうキャラクターが描きたいのか、などもっともっと描きたいことを深堀りしてみてください。そうすることで、より読者に描きたいモノ・コトが伝わり、エンターテインメント性のある作品になると思います。次回作も楽しみにしています。

【努力賞】賞金1万円

『蛍光』黒柳鉄鋼(栃木県・21歳)

養護老人ホーム・たいようの苑で働く青年・新谷。新谷を含めそこの職員はやる気のない者ばかり。そうした職場の状況に新谷は違和感を覚えつつも、特に何もできないでいる。そんな中、養護施設に通う、目の見えない宝木の送迎をすることになり…

編集部より
伝えたいこと、描きたいことが明確で、それを表現しきれていたと思います。感情の機微も描けていて読んでいて飽きませんでした。ただ、描きたいことに画が追いついていません。多くの作品を描き、技術を磨いてください。

『僕とアダム』五味拓真(千葉県・19歳)

死んだはずの主人公・けいは、研究所らしきところで目覚める。そこで、同級生・田畑の面影のある人物に出会う。なんとそこは、けいの死後200年が経った世界で、田畑は肉体を改造して生きながらえていた。そしてけいは、田畑から「僕を殺してほしいんだ」と言われ…

編集部より
描きたい世界があるというのは非常に良いことだと思いますし、それを描こうという意志を感じました。ただ、その世界観が先行するあまり、ストーリー展開が分かりづらくなっていました。常に読者に伝えるという意識を持ちつつ、独自の世界を展開させてください。

担当者より
今回は佳作1本、努力賞2本という結果でした。厳しい世相を反映してか、その中でもがいて生きる人たちに焦点を当てた作品が多かったです。とりわけ佳作『めりーくりすます』は過去と現在を共有する人々の変化を描き、そのやるせない感情の描き方がとてもリアルで編集部でも評価が高かったです。また、努力賞2本につきましても画力の向上とともにさらに読者を惹きつける作品を描いていって頂ければと期待しています。これからの投稿につきましても、ジャンル問わず作家の個性が伝わってくる、またその作者の作品を読みたくなるという「印象に残るもの」を見せていって欲しいです。投稿数が増える中、こだわりの作品で勝ち抜いていって欲しいと思います。

>>スピリッツ賞の応募要項はこちら!

また、原稿の直接のお持ちこみも大歓迎です。

>>編集部への持ち込み方法はこちら!