絶望と決意。孤独と愛。
名もなき小説家が目覚めたのは、AIのみが小説を書く衝撃のSF近未来!
デビュー以来、鳴かず飛ばずの小説家・菅井櫓は、ある日突然、余命宣告を受けてしまう。
人生に絶望し筆を折る彼の前に、菅井の作品を愛する一人の女性が現れる。
「彼女のために小説を書こう」
そう決意した菅井は再び筆を執るが、病状は少しずつ悪化。
治療費も尽きかけた頃、コールドスリープの試験体の話が舞い込んだ。
試験体となれば、治療費が賄える。
菅井は、”今”小説を書き上げるために試験体となることを決意。
彼女にはコールドスリープのことは秘密のまま、小説を書き上げた菅井は100年の冬眠につく。
そして2120年。
AIが完全な小説を書き綴る時代に、100年のコールドスリープから目覚めた名もなき小説家が、“大切な人”のために再び筆を執る———