あまり知られていないことだが江戸時代の捜査にも検屍はあった。
これは優れた検屍技術を持つ同心・北沢が医師と人相描きとともに、死体が語る真犯人を追い詰めてゆくデテクティブストーリーである。
出会い茶屋での心中死体に不審を抱いた北沢は捜査を進めるうちに事件の背後に、町娘の玉の輿願望を巡る凄惨なライバル心を探り当てる。犯人がほどこしていた捜査方を欺く巧緻な偽装を引きはがしてみると、そこにいたのは意外な人物だった…
江戸川乱歩賞作家・川田弥一郎の傑作小説を高瀬理恵が華麗な筆で描く、大江戸検屍推理譚第3作、堂々の登場です。