ビッグコミック
2019.02.26
祝『ゴルゴ13』連載50周年! 【毎週一冊『ゴルゴ13』】このゴルゴがすごい!【第19回】第19巻「幽霊定期便」
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第19回目の「ここがすごい!」ポイントは、ゴルゴのダンディズムとプロの流儀がさく裂する、第19巻「幽霊定期便」より、エピソード「ジェット・ストリーム」をピックアップ!
SPコミックス『ゴルゴ13』(19)幽霊定期便(試し読みもできます!)
本エピソードの舞台となるのは、ジェット機・トランスアトランティック航空901便。乗員乗客261名を乗せて、大西洋上空をアメリカからイギリスのロンドンに向けて移動しています。よい空の旅を......と言いたいところですが、どうやら安全なフライトにはならなそうな雰囲気ですね。
ニューヨーク市警察のジョージら夫妻は、休暇を利用して外国旅行を満喫しようと搭乗中に老医者のスタークと出会います。刑事と医者といえば、映画などのシチュエーションでは、機内でトラブルが起こったら活躍する職業のかもしれません! いわゆる「お客様の中に○○はいらっしゃいませんか?」というやつですね。
ロンドン国際空港まであと1時間というところで、機内に潜んでいたハイジャック犯たちが準備を開始! あらゆるところに仕込んでいた銃器を取り出して、機内はまたたくまに占領されてしまうことに。
ハイジャック犯たちからの要求がないという不穏な状態で、給油のため空港に着陸するジェット機。そしてそんな中、落ち着き払ってたばこを燻らせているのは、我らがゴルゴ......! 航空機の中で喫煙とは、今日では絶対に考えられませんが、これも時代性でしょう!
さて、この危機的状況で、ゴルゴはどんな行動をとるのでしょうか?
ハイジャック犯からの要求も出され、現場で対応するロンドン警視庁(スコットランドヤード)のもと、乗客の中にゴルゴ13ことデューク・東郷がいると知ってやって来たのは、MI6・ヒューム部長。ヒュームは機内に、とある伝達をするように指示をします。
スコットランドヤードのバートン主任の活躍により、先ほどの警察官・ジョージや医師のスタークら男性たちを残して乗客は解放されるものの、ハイジャック犯を確保できない状況は続きます。そしてヒューム部長が「ただひとつの解決策」として機内に伝えたメッセージの中には、「賛美歌13番」が! 第17回の「ここがすごい!」ポイントでもご紹介したゴルゴへの依頼方法ですね!
ハイジャック犯も暗号かと怪しんで探りを入れますが、一切動じなかったゴルゴ。依頼が通じたと祈るしかないというヒュームの想いに答えてか、タイミングを見計らってついに最強の乗客・ゴルゴが動き出します! どのようにハイジャック犯たちと戦ったのか、圧倒的なまでのゴルゴの実力が見せつけられる結末を、ぜひお楽しみください。
【今回のプロ&ダンディーな名言】
今回ご紹介するのは、紹介したエピソード「ジェット・ストリーム」より、ゴルゴをめぐるこの台詞。
「そ、それに妙なことを言ってましたね。私が彼の勇気ある行動をほめると、無表情に"仕事だ"なんて!............」
「そうか.........彼は、仕事だと......言ったか........................」
事件解決後のバートンとヒュームの会話より、プロフェッショナルであるゴルゴのすべてが詰まっているといってもいい一言です。19巻には、同じくプロの殺し屋であるビル・マグダネルと対峙するエピソード「アーリィ・オータム」も収録。表題作もいれた全3エピソードをご堪能ください。
次回は第20巻「ペギーの子守歌」より、お届けします!
(文・加藤真大)
【初出:コミスン 2019.02.26】
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