2020.09.25
第5回 ヤングスペリオール新人賞結果発表!!
「マンガはもっと自由だ!」を標榜するネオ青年誌の登竜門! 毎回白熱の審査会議を経て、力作が多数受賞! 結果発表&審査員インタビュー!
大賞
『知り合い以上友達未満』
森田賢吾│25歳│愛知県
■ストーリー
駅のホームで前に立つ女子を見つめる、二人の男子高校生。どちらも内心では「あの子に話しかけたい」のに、微妙な距離感で牽制&強がりまくる二人を多様な角度から描くコメディー!
●浅野いにお氏 評
変な漫画です。妙に描き込まれた絵とクドい会話のバランスが絶妙なので、この方向性でもっと煮詰めていけば、より面白くなっていく可能性があると思います。
●太田垣康男氏 評
男子高校生たちの描き方や会話のテンポには少々既視感があったが、ヒロインの魅力も伝わり読後感はとても良かったし、何より続きが読みたくなった。
編集長金一封!!
『山で暮らす男』
ハン角斉│64歳│北海道
■ストーリー
山奥で一人暮らす男…食料を調達しに町に降りると、突然人々から追われ発砲される。理由は3か月前に彼が起こした事件。なぜ、凶行に走ったのだろうか…
●菊池編集長 評
グイグイ読ませる力があり、「チャレンジに年齢は関係ない」ということを強く感じさせてくれました。欲を言えば著者なりの価値観をもっと掘り下げてほしかったです。
佳作
『live forever』
くそごり│26歳│東京都
■ストーリー
電車に飛び込む寸前の主人公は、いきなり見知らぬ女性に「葬式に流す曲、決めてるんですか?」と話しかけられ…
●浅野いにお氏 評
物語の落とし所には疑問が残りますが、キャラクターのデザインが非常に安定していて、構図やコマ割りも考えられていて読みやすかったです。
佳作
『バッド・トランスファー』
友松まい│34歳│大阪府
■ストーリー
会社の支店のヘルプを任された梶は、いつもマスクで陰気な奥田など、癖のある従業員に振り回される毎日で?
●太田垣康男氏 評
イライラする状況を描きながら、読む側に不快な気持ちが残らない語り口は上手い。主人公とヒロインの関係が深まるにはもっとページが必要だったかも。
●奨励賞 『SADMINTON』
銅 遊左│24歳│北海道
●奨励賞 『ジンとホーカ』
牧野 優│22歳│神奈川県
●奨励賞 『どんだけ〜!女神降臨』
鈴木二三江│27歳│静岡県
●努力賞 『ヒカル』
纐纈京太郎│20歳│愛知県
編集部総評
第5回ヤングスペリオール新人賞に多数のご応募いただき、ありがとうございました。今回は総数で40作品ご応募いただき、厳正な審査の結果『知り合い以上友達未満』(森田賢吾氏)の大賞受賞となりました。審査の過程では浅野いにお先生が推す『バッド・トランスファー』、太田垣康男先生が推す『知り合い以上友達未満』、編集部員の採点で最も評価が高かった『live forever』など、良い意味で意見が大きく分かれましたが、「将来性を強く感じる」という理由で『知り合い以上友達未満』の大賞受賞が決定しました。
また、独特の雰囲気を醸し出す魅力的な作品『山で暮らす男』を、還暦越えにも関わらず投稿してくださったハン角斉氏に対して、初めて編集長金一封50万円を贈呈することにもなりました。大変「豊作」な回だったと思います。
ヤングスペリオール新人賞も今回で5回を数え、少しずつ応募数も増え、また、大変有難いことに面白さのレベルも上がってきているように感じています。スペリオールというと、「ベテラン漫画家の作品ばかりが掲載されている雑誌」という印象を持つ方もいらっしゃるようですが、それはもはや昔の話です。現在のスペリオールは全くそんなことはありません。私たちは喉から手が出るほど新しい才能を求めています。そして「次のスペリオール」を作っていって欲しいと思っています。
編集長として「新人漫画家の連載作品が掲載されていることは、雑誌の生命線である」と考えておりまして、まだ準備段階ではありますが、秋以降には新人漫画家のフレッシュな作品も幾つか用意したいと思っております。
漫画は日々進化しています。そして、漫画表現を大きく進化させることができるのは、やはり新人漫画家さんに期待するところがとても大きいです。スペリオールはまだまだ新人の層がそれ程厚くないだけに、逆にデビューの可能性も高いのではないかと思います。次回も是非 たくさんの皆様のご応募をお待ちしています!(編集長 菊池)