2026.01.29
第2回 スペリオール 新人作家大賞結果発表!!
第2回スペリオール新人作家大賞 結果発表
今回も大賞出た!! さらに佳作4作&奨励賞5作の大激戦回!!!
審査員┃稲垣理一郎氏


大賞 賞金100万円+本誌掲載+連載権(単行本1巻分保証)+単行本化権獲得!!
本誌6号掲載予定!! (2/27発売)
『いきものきらい』
丈夫大
■ストーリー
学生時代、人気者の先輩と付き合っていた主人公・アリス。満たされてもいいはずなのに、周囲の友達にも、自分の父親にも、憧れのアイドルにも、嫌悪感を拭うことができなかった。大人になって、その先輩と再会するが…… 複雑な心境を瑞々しく描いた極私的独白。
⚫︎稲垣理一郎氏講評
全てがプロレベル。特に絵は素晴らしい。可愛いし、見やすい。書き込むべき場所と、抜く場所がメリハリが効いており、とても適正。これはある種漫画の本質で、すごい才能。主人公のキャラ描写に特化しつつ、良くある無闇な陰鬱さに逃げていないのも良い。演出も強いが、そのせいもあってストーリーだけかなりわかりづらい。もう少し読者に親切に、を心がければ、即戦力かと。

佳作 賞金20万円+本誌電子版掲載
『自問自答、君となら』
かたひこ 25歳
■ストーリー
学校に馴染めない主人公。彼女が素直になれるのは、「清少納言アズキ」として活動するバーチャル空間で、ネット上の友人「ダゾちゃん」と話す時だけだったが……
⚫︎稲垣理一郎氏講評
コマ割りやカメラが強い。工夫があり、読んでいて心地よい。わりと軽視されがちなポイントなので、それが強いのは大きな武器になる。少し単調でわかりづらい展開を、補って余りある。絵がとても上手いのも相まって、既に商業レベルかと思われる。あとはもう少しキャラにフォーカスして。読者が応援する理由を作ってあげてほしい。

佳作 賞金20万円+本誌電子版掲載
『ケルベロスクラブ』
師子角青石
■ストーリー
学校で苛烈ないじめを受ける真実は、「価値」を持たざる者は淘汰されると感じながらも、何もできない自分に幻滅していた。そんな時、“規格外”な二人の同級生が現れ……
⚫︎稲垣理一郎氏講評
絵が丁寧。演出も丁寧。とても読みやすい。読みやすさはとくに現代の漫画にとっては、二番目くらいに大事。一番大事なのはキャラだが、それもちゃんと描かれている。全体的に足りない物があるとすれば「慣れ」。ペンにも慣れが足りないし、キャラ配置や作劇も、慣れで向上しそう。例をあげると、読者視点を用意することとか。ベースはもうバッチリなので、プロの世界に揉まれればいける。

佳作 賞金20万円+本誌電子版掲載
『ゴルディロックスの子供』
百々百々 も々児
■ストーリー
新興宗教がきっかけで母親を亡くした学は、大人になった今も「嘘」が許せない。ある日、アルバイト先に自らを「54歳」と主張しタバコを買おうとする子供が現れ……
⚫︎稲垣理一郎氏講評
シンプルに漫画がうまい。プロっぽい。演出というよりコマ運びがうまいんだと思う。絵も、描き慣れるとどんどんうまくなりそう。主人公たち二人に特化して描いているのは良い。が、魅力が出ていない。なぜ読者はこのキャラを好きになるのか? 応援したくなるのか? そこを意識してほしい。

佳作 賞金20万円+本誌電子版掲載
『浅井くん』
花壊 ほし
■ストーリー
「愛されたいであります!」大学のサークルの後輩の浅井は、いつも甘い非現実的な話ばかりする。そんな浅井くんとの、退廃的で、刹那的で、運命的な日々を綴った叙情譚。
⚫︎稲垣理一郎氏講評
浅井くんのキャラ特化。魅力的。こういうのは素晴らしい! それだけでもう才能。演出力が高く、しかもそれが全て、キャラを描くことに注入されている。リアルにはいなさそうな男子たちで、そういうのが好きな人に向けたファンタジー。となるとやはり画力が欲しい。商売として考えても、作品として考えても。そこがかなり足りておらずもったいないので、要修練。

奨励賞 賞金5万円
『思考加工』
青ケツ 20歳
⚫︎稲垣理一郎氏講評
昨今珍しいほど、キャラの表情ド派手タイプの作品。しかし描いているのは内面で、そのギャップがとても面白い。いっぽうモチーフは現代的という、そこもまた良いギャップ。演出力が高く、楽しんで読めました。いっぽう画力はけっこう厳しいので、まずはペンに慣れるのが必須かも。

奨励賞 賞金5万円
『薫と真澄』
伊藤鮎弓 26歳
⚫︎稲垣理一郎氏講評
少し古い印象の絵ではあるが、美しい。十二分な武器になる。描き慣れてくると、もっと上手くなりそうで楽しみ。主人公たち二人の関係に特化して書いているのはとても良い。が、キャラクターが弱い。作者にとってはキャラは可愛い子だが、読者にとっては知らない人。関係性より先に、各々の人物像を深掘る必要あり。

奨励賞 賞金5万円
『コーケンチアイ』
義野永画
⚫︎稲垣理一郎氏講評
スポーツものは、動きの描写がとても大事。そこが不足している。画力的にも、演出的にも。……にもかかわらずけっこう読めてしまうのは、絵にセンスがあるからかも。ライバル二人に特化した、こういう見せ方は初めて見た。とても面白い! キャラの描き分けを、もっとハッキリすると良くなると思う。剣道で面があるってのがネックなのかもしれないけれど……

奨励賞 賞金5万円
『隻眼の男』
萬屋 マコト 22歳
⚫︎稲垣理一郎氏講評
面白っ。星新一を読んでいるような気持ちになった。絵もとても面白い。描き慣れてきても、この絵を失わないでと思ってしまう。商業としての成功を狙うなら、もう少しキャラに注力しないときついかと。が、完全にオンリーワンの才能なので、壊すことなく育ててほしい。

奨励賞 賞金5万円
『現代の原人』
ラヂオ 人 18歳
⚫︎稲垣理一郎氏講評
異様なまでの迫力。このタイプの作品は、独りよがりで意味不明になりがちなのだが、全て伝わる。要は演出が上手でわかりやすい。この両取りは素晴らしい。それがちゃんと、主人公のキャラ性にフォーカスされている。力強く、心をかき乱される。演出の上手さと画力が比例していないのはやはりもったいないので、量を描いて画力向上を。

編集長総評
「連載デビューにより近い新人賞!」として大賞に連載権を付けていますが、第1回に続き第2回も大賞が出ました。さらに佳作4本、奨励賞5本と前回にも増して秀作揃いとなりました。ご応募ありがとうございました。
審査員の稲垣さんには特にキャラクターという視点で審査や講評、アドバイスを頂きましたが、常に漫画界の最前線を走り続けるトップランナーならではの切り口で大変示唆に富んでいてキャラクター論の一つの解だと思います。必読です。
一方でロジックではどうにもならない部分があるともおっしゃっています。キャラクターが漫画家永遠の悩みになっている理由の一つもそこにあると思いますが、キャラクターは結局、人の行動や発言のことで、人間をどこまで描けるか、掘り下げられるかではないかと個人的には考えています。出発点は皆さんが何気ない日常(あるいは何もない日常)の中で感じた喜怒哀楽にあると思います。何もない日常だからこそ、静かに自分の気持ちを掘り下げることができる。日常の中でトレンドや流行に逆らってなお自分が大切にしたい気持ちや価値観を覚えておいてほしい。スペリオールは「価値観ゆさぶるオモシロさ!」をキャッチフレーズにしていますが、そこから「価値観ゆさぶるオモシロいキャラクター!」も生まれると思います。
ロジックにならない0→1の作業は作家の個性とも呼ぶべきもので編集者が協力できることは僅かかもしれませんが突破口の一つにはなれるかもしれません。スペリオールは作家と丁寧に付き合い、デビューを後押ししたいという編集者が一番いる編集部だと思います。第3回も沢山のご応募をお待ちしております。(編集長・寺澤)