トップ  >  第4回 ヤングスペリオール新人賞結果発表!! ( 2020/03/27 )
ビッグスペリオール

2020.03.27

第4回 ヤングスペリオール新人賞結果発表!!

ビッグスペリオール

「マンガはもっと自由だ!」を標榜するネオ青年誌の登竜門!


若き才能が今回も勢揃い! 結果発表&審査員インタビューをお届け!!


大賞
スカートじゃ走りにくい


結木万紀子│東京都

■ストーリー:隣の席の傷だらけの同級生・釘宮が気になる岬。岬自身も虐待を受け、全身傷だらけだと打ちあけたことで仲良くなる2人。初めての理解者ができた岬は幸せだったが、周囲がそれを許さなかった…

●乃木坂太郎氏 評
印象的な演出、エピソードがクライマックスで一発欲しかったですが、絵とコマ運びは上手だと思いました。次作はもっと冴えたものを描けそう。期待してます!
●くずしろ氏 評
描きたい絵、やりたいことがはっきりしているのは良いと思うので、あとはもう少し作画や作話を丁寧に気を配ってやれば、さらに良くなると思います。



 

 

●乃木坂氏推薦! 審査員賞
コーヒーチェリー


清沢ありさ│19歳│長野県

■ストーリー:アキナはバイト先のカフェの店長(彼女持ち)と恋愛中。コーヒーが何より好きな彼女は「2番手」である現状に満足していたが、ドリップされた気持ちが徐々に溢れ出す…

●乃木坂太郎氏 評
主人公だけでなく相手役にも事情と葛藤があるところは好感触。絵もキャラがコマの中で芝居しているので、タッチは雑ですが伸び代はありそう。これからの成長に期待!

 

●くずしろ氏推薦! 審査員賞
DAD STRANGE LOVE


あまの│千葉県

■ストーリー:天才化学者の光太郎。愛する息子の成長(と性徴)を心配するあまり、若返り薬を使用して息子と同級生に。副作用で女体化したのもなんのその、正しい性教育を叩き込む!

●くずしろ氏 評
すごく好きです! テンポがいいし、キャラが可愛いのも良かったです。オチも普通に笑ってしまいました。細かいネタもちゃんと回収しているので丁寧さを感じました。

●佳作
バカがつくほど


辻村レコ│44歳│高知県

■ストーリー:「ゴミ取り=スキャンした画像のホコリを取る」の仕事をしている橋本は、「バカ丁寧」な自分と対照的な元同僚・飯田くんが気になり…

●くずしろ氏 評
ほっこりしました。絵柄と話があっていると思います。キャラが良く、この後二人がどんな関係になるのかを読みたくなるような作品でした。

●奨励賞
呼吸


日車みづうみ│20歳│大阪府

●努力賞
俎上の人


百田一穂│24歳│東京都

●努力賞
朝子、昼子、夜子


椎名ユウ│35歳│埼玉県

●編集部総評
この度は第4回ヤングスペリオール新人賞にたくさんのご応募をいただき、まことにありがとうございました。数ある新人賞の中から弊誌の新人賞を選んでいただいたことに、心から感謝申し上げます。
今回も、楽しさ、悲しさ、恐ろしさ、苦しさ…作者の色々な気持ちが紙面からあふれ出る力作揃いで、一本一本その熱量を感じながら拝見しました。
その中で、評価の高低を分けたものの一つに、登場人物の気持ちにどこまで丁寧に真摯に迫れたかがあったように思います。
登場人物の気持ち、つまり作者自身の気持ちです。喜怒哀楽、なんでもいいのです。毎日を生きていく中で、自分は何に惹かれ、怒り、悲しみ、楽しいと感じているのか。そこに深く深くたどり着き、読み手に分かりやすくアウトプットできた作品が、審査員の先生方や編集部員の胸を打ち、高評価を受けたのではないかと思います。
日頃、私達の目は自分以外の「外」を見て、さまざまな情報を吸収しています。マンガはもちろん周囲の人々、ニュース、映画、音楽…色々な刺激で溢れていますが、でもそこから自分が何を選び取り、何を描くのかは、外を眺めているだけでは出てきません。自分は何に刺激を受けているのか、自分の心を動かしているものの正体はなんなのか、時には目を閉じて自分の「内」をゆっくりと眺めてみてはいかがでしょうか。
読み手は巷に溢れているものを読みたくはありません。そこにしかない物語や人間ドラマを読みたいのだと思います。自分自身が大切に感じる気持ちを見つけること。そこに作者自身の非常にパーソナルな面白さ、他にない面白さにつながる何かがある気がしています。
これは一つの提案にすぎません。「マンガはもっと自由だ!」がスペリオールの合言葉です。皆さん一人一人のやり方で、たった一人でいいので「これは面白い!」と感じるものにたどり着き、思いきり描いてみてください。次回もたくさんのご応募をお待ちしております。(編集長代理 寺澤)