トップ  >  【絶賛放送中】祝『黄昏流星群』ドラマ化・この熟女(ひと)を見よ! 第2回「義母・久世貞子」【22時よりフジテレビ系】#黄昏流星群 ( 2018/10/18 )
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2018.10.18

【絶賛放送中】祝『黄昏流星群』ドラマ化・この熟女(ひと)を見よ! 第2回「義母・久世貞子」【22時よりフジテレビ系】#黄昏流星群

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「熟女」とは、単に肉体的に熟した妙齢の女性を意味するのではない。さまざまな人生経験によって、精神的に「熟した女性」を「熟女」と呼ぶ――!


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多少いびつで、偏っていたり、悩みを抱えていたりしても、様々な苦労や経験を経て、厚みがあり、味わい深い豊穣な「熟」し方をした女性。
そんな熟した女性と、同じように人生の荒波を超えてきた男。人生の半ばを過ぎた40代以上の男女の恋愛を、リアリティをもって描いてきた弘兼憲史氏の名作『黄昏流星群』が、佐々木蔵之介さん、中山美穂さん・黒木瞳さん他、豪華なキャストでテレビドラマ化され、2018年10月11日よる22時よりフジテレビ系で放送開始になります。







TVドラマ『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』番組公式サイト




コミスンでは、ドラマ化を記念して、今年で連載23年を迎える漫画『黄昏流星群』に登場する魅力的な《熟女》にスポットライトを当て、毎回ひとりずつ紹介していきます!


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第2回の熟女は、『黄昏流星群』第3集「鈍色の星」のヒロイン、久世貞子さんをご紹介!


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個人医院を営む医師・小早川の前に現れた熟女は、かつての同級生・袴田美保。
そうです! 今回はダブルヒロインでお送りします!!


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物語は、袴田美保が故郷の地方都市に戻ってきたことから始まります。


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高校時代、学校のアイドル的存在だった美保との25年ぶりの再会......。
当時、付き合っていたふたりの25年ぶりの再会で、「焼けぼっくいに火がつく」のかと思いきや......。


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美保は介護が必要な義母――亡き夫の母親・久世貞子を伴って帰郷していたのです。


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歩けない義母のために、往診を頼まれた小早川。
ギューッと力強く手を握る貞子の、力強い眼差し......そこに1人の人間がいることを感じさせます。


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それからというもの、寝たきりに近かった貞子の体調が好転。往診の日には化粧をして小早川を待つようになります。
鏡に写った彼女のなんともいえない表情......感情を揺さぶられる力強い画です。


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さらに元気を取り戻していく貞子。


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その一方で、美保もまた、小早川に思いを寄せていました。

義母と娘に同時に懸想されるモテモテ状態......ですが、妻のある身だからと、その誘いに乗らないのが小早川先生。
倫理的には正しいですが、美保からすれば、燃える想いをぶつける先が無くなってしまうことに。


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恋をしてすっかり若返った貞子は、往診のお礼に、小早川を自宅に招いて茶を振る舞います。
ビシッとした着物姿の彼女は、とてもこの間まで認知症で寝たきりだったとは思えませんが――。


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(あれ? 何か匂うぞ!?)
(気のせいかな、大便の匂いが......)


そう、貞子は失禁していることに気が付いていなかったのです。


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「いかがでございましたか?」
「はい、大変結構でございました。ごちそうさまでした」


恋する女としての顔を見せる貞子。
そんな彼女の心からのもてなしに応えて、小早川も笑顔でお茶をごちそうになります。


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帰り道、小早川は車内で一人涙が止まりません。
生きること、恋すること、老いること......その悲しみ、喜び、美しさ......いろんな感情がないまぜになって迫ってくる、印象深いシーンです。

もう一方、小早川に拒絶された美保は......


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「あなたが私のこと相手にしてくれないから こうなったのかもね...」

夕焼けの中、別の男と結婚することを告げる、この美保の表情。
誰しも、人生の中で、心に残り続ける一枚の写真の様な光景があるはず。
弘兼氏の筆は、そういう瞬間の、忘れられない表情を巧みに描きあげます。

そして......


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ギュッ
「先生! もう美保と会わんで下さい!! 毎晩、来ないで下さい!!」


ある日、往診に行くと、貞子に泣きながら抱きつかれます。
心当たりのない小早川ですが、どうやら貞子は、美保と交際している別の男との逢瀬を、小早川が相手だと誤解している様子。


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最後まで、義母と娘の両方の愛に応えなかった、真面目で家庭思いの小早川。
その優等生的な判断が、二人の熟女の運命を大きく変えてしまうことに――。

義母と娘がいかなる結末を迎えるのか、それはご自身の目でお確かめください!!







《熟女プロファイル②》



★生涯の最後を一途な恋にかけ、カラフルに咲いた熟女・久世貞子

この「鈍色の星」というエピソードをお読みになられた方は、弘兼憲史氏の筆が、78歳の久世貞子という女性を、一人の恋する女として、とても美しく魅力的に描いていることに驚かれるかもしれません。
タイトルの「鈍色」というのは、普通に考えると、老いて寝たきりになった、老齢の貞子を指したものでしょう。
しかし、小早川に恋をした貞子は、どんどんどんどん「カラフル」になっていきます。


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78歳の熟女と、彼女をとりまく世界の風景を描いたこの画。


庭の緑や、池の鯉、空を舞う色づいた落ち葉......そして、佇む貞子の着物、色づいた顔色。その力強さ、美しさ。モノクロの漫画であるにも関わらず、さまざまな「色」が描かれているこの一コマには「恋をする人にとって、世界はどれだけ美しく、カラフルになるのか」というメッセージが込められているような気がします。


その生涯の全てをかけて情熱的に恋を全うした貞子と、その生真面目さから二人の想いに応えることのなかった小早川。どちらが「鈍色」なんだろう......そんな疑問も、ふと湧いてくる名エピソードでした。


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弘兼憲史『黄昏流星群』第3集




今夜から始まるテレビドラマでは、原作漫画とは異なる、新たな解釈によって《もう一つの『黄昏流星群』》を楽しむことができるとか。漫画を読んでドラマと見比べてみると、さらなる発見があるかもしれません!!


それでは、第3回でも魅力的な「熟女」をご紹介します! お楽しみに!! 


(文・山科清春)




【初出:コミスン 2018.10.18】

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