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俳優・渡辺いっけいさん「男として本気で憧れたのが[がんばれ元気]。僕の青春は元気とともにありましたよ」◆屋根の上のマンガ読み

ビッグコミック

2014.09.11

ビッグコミック連載の人気コラム「屋根の上のマンガ読み」をコミスンでもお届け!






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第59回 渡辺いっけい
《プロフィール》1962年生まれ、俳優。学生劇団だった劇団☆新感線で活動後、劇団状況劇場に参加。退団後も数多くの公演に出演し、テレビドラマや映画など、さまざまな作品で存在感を示している。








「漫画を描くように、被写体としてどこに自分がいるべきか探してます」






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 中学のとき、初めて町に本屋さんができたんです。本屋さんができて何が変わったかっていうと、少年マンガ一辺倒だった僕が、少女マンガを手に取れるようになったこと。そこで[11人いる!]を見つけて、これはかっこいいぞと手に取り、絵が気に入って買ってしまった。そこから萩尾望都さんにハマるんですよ。[11人いる!]はほんとにしびれました。次に[ポーの一族]を買い、[トーマの心臓]に行き、大感動して。それから『ぱふ』っていうマンガ専門誌に萩尾さんのインタビューが載っていて、「大島弓子さんの[さようなら女達]のラストが良かったですね」なんていうコメントを読んだんです。それで気になって[さようなら女達]を買うわけですよ。それがすごく良かったんです。そして[綿の国星]にも感動して、少女マンガもすごい人たちがいるんだと思い知りました。萩尾望都さんと大島弓子さんは自分にとって双璧だったんだなと思いますね。ちょっと世界観を変えてくれた。僕に女の人の機微みたいなものを教えてくれたのはこのふたりですね。女性の漫画家が描く女の人は、裏側のずるいところとかそういうのを含めて描かれてることが多いので、役者という感情を使う仕事に役立ってるところがあると思いますね。
 逆に男として「こんな男になりたい!!」と本気で憧れたのが、小山ゆうさんの[がんばれ元気]ですね。堀口元気はナイーブだけど強い。そして、かっこいい。僕の青春は元気とともにありましたよ。小山ゆうさんの真骨頂はやっぱりアクションシーンの動きですよね。[がんばれ元気]で火山尊(ひやまたける)をやっつけてしまう回が忘れられなくて。火山は視力を失う危機にあるから元気はパンチを打てないって思っているのに、ちょっとしたことで元気の理性が飛んで、やってしまうんです。伝説の、フキダシもなくてただ打ちまくる回だったんですけど、それがすごい迫力で、読んでて立っていられなくて。体が"くの字"になっちゃうくらい、ほんとにしびれるような感じでしたね。




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[がんばれ元気]©小山ゆう/小学館








母親の目線で






 [アイアムアヒーロー]が今一番好きなんですけど。花沢健吾さんのマンガは[ルサンチマン][ボーイズ・オン・ザ・ラン]も、ちょっと情けない感じの主人公がよかったですね。[アイアムアヒーロー]は、冒頭では展開を全然予感させないでしょう。今までにないパターンが面白くて、ずっと読んでますね。
 忘れられないのは[漂流教室]。大人になって読み返して、主人公のお母さんの目線で考えたときに、非常に泣けるっていうか、たまらないですね。最後に主人公の日記を胸に抱えてひざまずくカットがあって、その絵の処理が、ドラマでいうとフォーカスを変えるっていうか照明を変えるっていうか...うまく説明できないんですけど。[あしたのジョー]のラストみたいな表現なんです。漫画家さんはもちろん常に計算して描いてるんだろうけど、でも何かが"降りてきて"描いてるときってあるはずで、それは読んでてもわかりますよ。これは何かに描かされてるんじゃないかって瞬間が。




役者になる練習






 小学校のころ、友達にマンガを読んであげてたんです。みんなは僕の机の周りに集まって絵を見てて、僕がセリフを読んで笑わせるみたいな。声色変えて読んだりしてました。それが今の仕事に通じてる。マンガには役者になるための練習をさせてもらってたと思います。
 漫画家を目指してたこともあったので、フレームや構図を考える作業を子供ながらにやってましたけど、今でもドラマの現場で、被写体としてどこに自分がいたらフレームの絵が埋まるか、探してますね。手元を撮られるときも、後ろに写り込んでるものの配置をちょっといじったりして。そういうの好きなんですね。僕は漫画家にはなれなかったけど、ものを作るっていうことが好きだったので、そういう意味では楽しい仕事をやらせてもらってるなと思ってます。





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《こんな作品もおすすめしていました!》
 [ハレンチ学園]永井豪
 [星守る犬]村上たかし
 [自虐の詩]業田良家
 [兄帰る]近藤ようこ
 [僕だけがいない街]三部けい






■次回予告:第60回 野田秀樹(劇作家)

萩尾望都氏の短編漫画『半神』を戯曲化、再演を重ねたのち

このたび韓国人キャストにて新生ーー!!

萩尾氏とも親交の深い野田秀樹さんが、

マンガの面白さを"演劇的"目線で語る!!

<9/25(木)更新予定>







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(取材構成:ビッグコミック編集部、根本和佳 撮影:松原康之)

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ビッグコミック公式


【初出:コミスン 2014.09.11】

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