2014.05.30
新連載『フォーナイン~僕とカノジョの637日~』スタート記念!! 日韓友好!? インタビュー!!!
スペリオールの新人コミックオーディション出身の莉ジャンヒュンのデビュー作!
舞台はなんと、韓国の軍隊!! ニッポンを騒がす、衝撃の新連載がスタート!!!
日本のカレーが大好きという作者、莉さんに突撃インタビューを敢行しました!!!!
主人公のハン君と日本人の彼女、さゆり。ふたりの運命は!?
軍隊に入隊する若者のリアルを描く渾身の新連載!!
コミスン(以下コ) 新連載について、じっくりお伺いしたいと思いますが、まずは漫画家になるきっかけを教えてください。
莉ジャンヒュン(以下莉) それまでも絵を描いてはいたのですが、井上雄彦さんの『スラムダンク』を読んで、ぼくも漫画を描きたいと思うようになりました。韓国に入ってくる日本の漫画はとっても面白いんです。今思えば、日本の面白い漫画を選りすぐって発売してるんだから面白くて当然なんですが、日本の漫画ってスゴい!面白いものしかない!!と思って。韓国にも漫画はありますが、ここでは自分は成長できないなと感じて......。
コ 日本の漫画で他に好きな作品はなんですか?
莉 いっぱいありますが......浦沢直樹先生の『MONSTER』とか。とにかく演出がすごいですよね。望月峯太郎(現ミネタロウ)先生の『座敷女』も好きでしたね。
コ それにしても、とても日本語がお上手ですね。
莉 漫画を描くために、まずは日本語を覚えようと思って、最初はワーキングホリデーで、その後、日本語学校に留学して日本に滞在しました。ワーキングホリデーで来たときはほとんど日本語がわからなかったのですが、書店で見つけた「ヤングマガジン」に電話して、当時描いていたイラストを持ち込んで......
コ 日本語をほとんど話せないのにですか?
莉 韓日辞書を見ながら文章を作って、それを電話口の前で読みました。そこで、なんと望月ミネタロウ先生を紹介されて、アシスタントとして雇ってもらいました。ビザが切れるまで望月先生のところで働いて、いったん韓国に戻ってから東京の日本語学校に留学し、再び日本へ来ました。でも、13時まで学校だったので、その後からでも入れる仕事を探してもらって、今度は『きんぼし』の明石英之先生のところに入りました。日本語学校に通いながら自分の漫画を描いてましたが、ビザが切れて再び韓国へ戻りました。
コ その後、スペリオールの新人コミックオーディションに応募されたんですね。
莉 ネットでいろんな漫画雑誌を探して、スペリオールは連載作の第1話というかたちでも応募できたので。今とはちょっと違う作品ですけど......
コ それにしてもすごい行動力ですね。
莉 じつは、僕はもともと人見知りだったんです。それでも、「よし!日本に行ってみよう!!」と思えたのは軍隊のおかげだかもしれません。軍隊は好きじゃないですが、変な人がいたり、やりたくないこともいっぱいやらされたし...... でも、やりたくないことをやったり、いろいろ我慢したことで、自分はなんでもできるんだ!と勇気がわいてきたんです。そのおかげで日本に来れたと思っています。
コ そして日本に来て、なぜかカレーが好きになった、と。
莉 望月先生のところの先輩が連れて行ってくれたんです。神保町の「キッチン南海」(※)というお店ではじめてカツカレーを食べて......あまりの美味しさに泣きました!
コ 泣きましたか......
莉 はい。泣きました。日本のカレーって本当に美味しいですよね。最初の頃はカレールー、もちろん日本の3袋分を大鍋で作って、2週間ぐらい食べ続けてました。1日3回食べることもありましたが、飽きないんです。いつか飽きるかなと思って食べ続けるんですが、飽きない! それからは、いろいろ工夫してました。韓国の母から辛み調味料を送ってもらって入れたり。アシスタントの先輩が本当に美味しいのか?というので、ウチまで食べに来たり。みんな美味しいって言ってくれましたよ。あと、日本ではラッキョウや福神漬けですが、なんといってもキムチと一緒に食べるのが美味しいです。ぜひやってみてほしいですね。それに......
コ と、いうわけで、カレーに熱い、もとい、漫画に熱い莉ジャンヒュン先生でした。ありがとうございました!
新連載『フォー・ナイン~僕とカノジョの637日~』をよろしくお願いします!!
【※注】
「キッチン南海」とは神保町にある安くて美味しく、しかもボリューム満点の洋食屋さんです。行列の途切れない人気店で、あげたてのカツに黒いカレーが特徴のカツカレーが人気ナンバー1!
(スペリオール編集部)
関連リンク
スペリオール公式
【初出:コミスン 2014.05.30】
スペリオール,フォー・ナイン~僕とカノジョの637日~,新連載,莉ジャンヒュン