2019.02.07
ビッグコミック

祝『ゴルゴ13』連載50周年!【毎週一冊『ゴルゴ13』】このゴルゴがすごい!【第16回】第16巻第16巻「九竜(カオルン)の餓狼」

1968年、今からちょうど50年前に誕生したスーパーキャラクター『ゴルゴ13』!
さいとう・たかを先生の手によって生み出されたゴルゴ13は、今なお多くのファンを魅了してやみません。

とはいえ、「読んでみたいけど、長く続いているから、なかなか読み始める決心がつかなくて……」という方もいらっしゃるかもしれません。
ご安心ください。『ゴルゴ13』は一話完結の読切方式ですから、どのエピソード、どの巻から読んでも、独立した物語として楽しむことができます!
というわけで、本企画では、『ゴルゴ13』の名エピーソード、名ゼリフを毎週1巻ずつご紹介! ぜひコミックスを手にとっていただきたいと思います!

第16回目の「ここがすごい!」は、ゴルゴに最強ライバル登場! 香港政庁警察の「餓狼」と呼ばれる一匹狼刑事・「ショットガン・スミニー」との対決を描いた表題作「九竜(カオルン)の餓狼」をお送りいたします!

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SPコミックス『ゴルゴ13』(16)九竜の餓狼 (試し読みもできます!)

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舞台は香港の魔窟・九竜城。迷路のようなスラム街を逃亡する強盗犯! 追跡する香港政庁警察。
(もちろん、香港が中国に返還される前の、英国領だった時代ですね。魔窟と呼ばれた九竜城も今は取り壊されてしまいました)。
そこに颯爽と登場するバイクの男。

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「散弾銃(ショットガン)スミニー」と呼ばれる男。ギュッと引き締められた口元、するどい眼光……その一筋縄ではいかなそうな面構えは、ある男を思い起こさせます……。

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赤ん坊を人質に取り、店に立てこもる犯人!

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「子どもを殺せば…間違いなく死刑だ!! さあ……子どもをはなしな……」
人質をとられても、冷静沈着な散弾銃(ショットガン)スミニー。さすが香港政庁警察の切れ者刑事です。

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犯人は子どもを放しますが、スミニーはかまわず射殺。
「拳銃は…はなさなかった……」
「だ、だが奴は撃つ気がなかったぞっ……」
射殺を咎める上司に、

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「……見解の相違だな……おれは死にたくないのでね」
……なんというキャラの強さ! 
香港政庁警察の「散弾銃(ショットガン)スミニー」こと一匹狼のダーク・張・スミス警部……。
そう、なんとなく『ゴルゴ13』第1話「ビッグセイフ作戦」の冒頭、ゴルゴの初登場シーンを連想させる、見事な「キャラ立て」ではないでしょうか! 
そのまま刑事ものの主役になりそうな強烈キャラクターです。ゴルゴ外伝「散弾銃スミニー」を読みたい!

さて、名ライバルが鮮烈に登場すれば、あとはこのキャラクターがどうゴルゴと絡むのかが気になります。

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金塊密輸組織の首領ベルジュ・ガネ。彼は、組織壊滅を狙う宿敵・スミニー刑事を、いまいましく思っています。

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彼らは、夜闇に紛れて、邪魔者・スミニーを襲撃することに。
2台の車を1台と見せかけるトリックで、スミニーを轢き殺す計画です。スミニー、危うし!
と、思いきや!

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これは!?
スミニーじゃない!

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不幸にも、暗殺者たちはスミニーと「似た男」を間違えて轢殺しようとして、失敗してしまったのです。

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もちろん、その男……ゴルゴ13には、そんな子ども騙しのトリックは通用しません。

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部下が人違いで、あの「ゴルゴ13」に喧嘩をふっかけてしまったことを知り、ボスのベルジュは、大慌て……!!

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困ったベルジュは、逆に、自らの宿敵・スミニー刑事を利用し、同士討ちに持ち込む計画を思いつきます。

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……というのも、実は2年前、スミニー刑事が護衛する要人を、ゴルゴ13によって狙撃され、それが原因で栄進の道を断たれ、ゴルゴに大きな屈辱を負わされた経験があるのです。

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その心の傷を利用し、スミニーとゴルゴを戦わせ、漁夫の利を狙うベルジュ。

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ゴルゴとスミニー。刑事と殺し屋という正反対の職業の二人ですが、「似た者同士」の対決が迫ります。

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……先にゴルゴが現れたのは、ベルジュの前! 今回のターゲットは、ベルジュだったのです。

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仕事を終えたゴルゴを待ち構えるスミニー。彼が手にするのは散弾銃……!

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そして、決闘の場所は、迷路のように狭く入り組んだ九龍市の錦田(カムティン)城。
近距離の的を幅広く捉え、動くものを狩るのに最適の武器である散弾銃をスミニーに対して、ゴルゴの長距離精密狙撃用のアーマーライトM16では圧倒的不利!
「地の利」を知り尽くし、最適な武器を持ったスミニーに対し、ゴルゴは、どう戦うのか!?

ぜひ、お読みください。 

ちなみに、この「九竜の餓狼」のエピソードを元にしたのが千葉真一主演の映画『ゴルゴ13 九竜の首』(1977)。千葉真一、志穂美悦子のアクションは必見! 九竜城にはじめてカメラを入れた映画としても有名です。

【今回のプロ&ダンディーな名言】

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「密告…………」(第16巻「Dabbie!(ダビイ)」より)

根強い人種差別の残る、アメリカ最南部。
ゴルゴは黒人たちの人権を守るCOFO(各州合同協議会)のランディから、同組織の幹部でありながら、実は白人至上主義団体KKK(ク・クラックス・クラン)の一員であり、仲間をKKKに売った男・ドレイクの狙撃を依頼されます。

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見事にドレイクの暗殺に成功したゴルゴですが、KKKからの報復を恐れた依頼人が、警察にドレイク殺しの犯人としてゴルゴを密告したことを知ります。
もちろん、この明確な契約違反を、ゴルゴは許しません。
たとえ、相手が社会問題とたたかう、慈善団体であっても……。

次回は第17巻「死を運ぶ」より、お届けします!

(文・山科清春)

【初出:コミスン 2019.02.07】

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