2016.02.24

【装丁から見るマンガの魅力】連載「ジャケ萌え!」 5冊目『しまなみ誰そ彼』【その3】

jaketmoet_title.png

読むだけじゃない、見て触って嬉しい単行本。なんだかカッコイイ! 可愛い、きれい、オシャレ!そんなグッとくる「マンガの装丁」の魅力をお届けする連載企画が「ジャケ萌え!」です。

鎌谷悠希先生の『しまなみ誰そ彼』の装丁について、ナルティス代表・新上ヒロシさんにお話を聞いてきました。

ジャケ萌えライター・川俣がずっと思っていた「ナルティスのデザイナーがアウトドアすぎる件」について新上さんとマネージャー・上野友美さんを質問攻めにしてきました!!!!!

20160225_jacket2.jpg

お仕事中のナルティスさんは真剣 オブ 真剣。集中しています!

20160206_jacket1.jpg

社員旅行@石垣島で滝に打たれる

20160206_jacket2.jpg

えっ……ちょっ……これ上野さん大丈夫なん……!?

デザイナー業も健康第一!

──ブログを拝見していると、ナルティスさんは社員旅行やキャンプなどイベントが多いイメージです。

上野 デザイン事務所の中ではイベントは多い……のかな?ブログをやっているから目立っているというのもあるかもしれないですね。社員旅行、キャンプ、年賀状の撮影。あとは花園神社の酉の市にみんなで行く、くらいかな。

新上 みんなデスクワークをしている時間が長いからね。飲みにいくより、仕事に熱中しちゃう。社員旅行にいくと一緒に飲んだり、夜通し語ったりするから親交も深まりますし。

──私が何年か前にキャンプに参加させてもらった時、デザイナーのみなさんの体力にびっくりしたんですよ。みなさん早朝から準備して、キャンプ場でも動き回って、深夜まで火を囲んで語り合ってましたよね。私は疲れて早々に寝ちゃったんですが……。みなさんの体力やスタミナがどこからくるのか謎すぎる!!

上野 なんでなんでしょうね、ほんと(笑)

新上 確かにうちは体力派かも、デザイン事務所なのに朝10時スタートだし。

20160206_jacket3.jpg

加計呂麻島でデイゴの木にのぼる。太くどっしりした枝が空を覆うように広がっています

──みなさん忙しくて鍛える時間もないですよね?

上野 誰も鍛えてないですね。私はワンダーコアスマートをやっていますけど、最初1カ月くらいはすごくききますよ。今は慣れてしまってただ揺れてるだけになりました(笑)

新上 僕はワンダーコアプロをやってますよ、1日1000回くらい。それを週4ほど。

──1000回!? よし、「ワンダーコアを1日1000回やるデザイナー」って書こう。

上野 変なイメージついちゃう、そこ強調しないで!(笑)

新上 朝起きて、テレビみながらやってると15分くらいでできますよ。その後筋トレをして歩いて会社まで来ています。本当はジムに行きたいんですけど、ジムにいくとそのあとビールを飲みたくなっちゃう。

上野 みんな何もしてなくてもタフかもしれないです。風邪もひかないし。

新上 うちは風邪にはうるさいよ?! 毎日ヤクルトを飲んでもらってるし、アルコール消毒もしてもらうし、健康診断や予防接種もしっかりとやってもらいます。ひとりでも体調を崩したら嫌ですからね。

──採用時はこうしたアクティブな行事が嫌いじゃないかどうかも見ていますか?

新上 ブログも読んでくるだろうからこちらの雰囲気はきっとわかってくれていると思うし、こういうのが大丈夫かも質問しています。

上野 そこが苦痛だともったいないですもんね。

独特の「旅の運」をもつ上野マネージャー

──社員旅行の行き先はどう決めていますか?

上野 私が気分で選んでいます。

新上 マネージャーは変な宿とか変な食堂とか、おもしろレンタカー屋とかに出会う運がすごいです。去年、奄美大島と加計呂麻島に行った時は、奄美大島から加計呂麻島に渡るはずが波が高くフェリーが欠航してしまって。海上タクシーを呼んでなんとか加計呂麻島に渡れたのですが、そこで新たにレンタカーを借りる必要があったんですよ。そこで上野マネージャーが見つけたのがおばあが1人でやってるレンタカー屋で。

20160206_jacket4.jpg

海上タクシーに手を振るナルティスメンバー

上野 最初に借りた車はエンジンがかからなかったです。しかも、なぜか瓜をもらって「宿のおじさんに調理してもらいなよ!」って言われたり。そういう珍道中は多いかもしれません(笑)

20160206_jacket5.jpg

笑顔が素敵なおばあに瓜を渡されたら、おいしくいただくしかありません!

──「一番大変だったな?」という出来事は?

新上 、2011年の社員旅行ですね。石垣島から竹富島に渡って宿泊するはずが台風で欠航になってしまい、急遽石垣島のビジネスホテルを押さえて。ひとり1部屋ずつ。

上野 社員旅行なのにひとり1部屋ってなんだよ! って感じですよね。みんなやけくそになって商店街でアロハシャツやムームーを買ってカラオケにいって……。カヤックに乗ったり滝に打たれたり、色々と楽しかったですけどね!

20160206_jacket6.jpg

熱唱する新上さん。熱唱する新上さんです(2回言いました)

──社員旅行で大切にしていることは何ですか?

上野 社員旅行って、みんなで頑張って稼いだお金でご褒美的にいくもの。ご褒美にしてはちょっとハードですが(笑)。慰安旅行というよりは、みんなが普段体験できないことをやる機会にしたいですね。

新上 普段みんな日に当たらないし、海で泳いだりトレッキングにいくといったアクティビティは必ず入れるようにしています。自然に触れ合って、何もしない時間があるといいですよね。「あそこに行ってきたよ」と人に語れるような体験になったらいいなと思います。

20160206_jacket7.jpg20160206_jacket8.jpg

確かに、機会がないとなかなかこうしたアクティビティはしませんよね!

焚き火を囲んで座って、黙って見つめるだけでもいい

──ナルティスさんがお仕事で関わりのあった人としているキャンプですが、これはいつからしているのでしょうか。

上野 私の初参加が2009年。でもbossはその前からずっとやっています。

新上 マネージャーが参加する前はもっと過酷でしたよ。「キャンプ場なんぞ甘いわ!」と思って、河原とか、奥多摩の山の中とか、花魁淵という心霊スポットとか。色々な場所でテントを張ってました。雪中キャンプもしていましたよ。

20160206_jacket10.jpg

はい、ここで飯テロです。自然の中で食べるカレーは最強の存在

上野 2009年に行ったキャンプ場はトイレもアウトドアな感じで、野犬が遠くで吠えてるし、土砂降りだし、ほんと過酷でした。その時はまだアウトドアの装備もわからなくて準備不足で寒いし、体力的に洗礼を受けたイベントでしたね。

新上 昔の編集者は登山やキャンプが好きな人も多くて、僕はその人たちから教わりました。

──そこで過酷な経験をした上野さんが「もう嫌だ!」とはならず、適応したのがすごいです。

上野 なんででしょうね(笑)。でも、たくさんの人がいて、みんなお仕事関係者なんですが誰が誰だかわからず、自己紹介もしないまま飲んだり食べたりするのが居心地よかったんです。名乗る前に「肉が焼けたから食べなよ」って。

20160206_jacket11.jpg

肉がこれから焼けるようす。丸焼きだヒャッハーーーー!

新上 出版社に行ってスーツ姿のおじさんを見かけたら「よっ!」って手を振ってくれるんです。一瞬考えてから「あの時一緒に肉を食べた人だ!」と思い出したことも。キャンプでは誰かわからなくても、あとから誰かわかって驚くこともあります。

上野 私がナルティスに入る前、bossが「居酒屋ナルティス」をしていたんです。当時は今のような事務所ではなくマンションの一室で仕事をしていて、毎週金曜になるとそこに編集さんや作家さんが集まってただ飲み食いをする会で。名刺が飛び交うこともなく、ただ隣にいる人と話して、最後には雑魚寝。

新上 昔は編集さんが会社を超えて人を集めたらダメだったんです。作家さんの取り合いになっちゃいますからね。でも、ある編集さんが作家さんも呼んでくれて。名刺交換もなく肩書き関係なしに語り合える場は作家さんも居心地よく感じてもらえたようです。そこから色んな交流が始まってすごく嬉しかったですね。

20160206_jacket9.jpg

燃えるよ燃えるよ! 焚き火のそばにいると「火ってこんなにあったかいんだ……」と実感します

──その経験が源流にあるんですね。キャンプでも、名乗ったりせずまずは共同作業をする。そこである種のフラットな関係ができるというか。

上野 キャンプって極端にいえば、ふらりとその場からいなくなってもかまわないんです。飲み会だと席が空いちゃうと目立つけど、キャンプなら疲れたらその場を離れてもかまわない。パーティが苦手でもこれなら居心地がいい。

新上 焚き火を囲んで椅子を置いて、会話しなくてもいい時間ってすごくいいものです。これぞキャンプの醍醐味。キャンプのために軽トラ一台分の薪を買い付けちゃうくらい好きです。

上野 キャンプの話となると止まりませんね、私たち(笑)

★ジャケ萌えMEMO★
鎌谷先生ェ~~~! 『しまなみ誰そ彼』から離れた内容を書いてしまいすみません!
私の長年の謎だった「ナルティスのメンバー、体力ありすぎじゃね?」が解決されたかのように見えて案外謎のまま!!!!!  毎日ヤクルトを飲み、風邪をひかないよう体調管理を徹底しているというのはきっと大きいはず。
もうひとつは、程度の違いこそあれみなさんもともとアクティビティ系が好きなのですね!
毎度、上野さんのブログ更新のマメさには頭が下がります……! 社員旅行のレポートは多い時で7記事ですからね! ぜひナルティスさんのブログ、見に行ってください!
にぎやかな印象のナルティスでしたが、お話を聞いてみての印象はいい意味で少し違ったものでした。パーティや人が大勢集まる場所が苦手な人にも配慮した、細やかな気配りがそこにはありました。

ナルティスが装丁を担当した『しまなみ誰そ彼』第2話まで期間限定で試し読み公開中!

「本」のデザイン、ナルティス http://www.nartis.co.jp/
 ナルティスでは、アシスタントデザイナーを募集中です! 応募〆切は2016年3月23日(水)。詳細はこちらからご覧ください。

「ジャケ萌え!」5冊目 [その1][その2][その3]

(ライター:川俣綾加)

フリーライター、福岡出身。デザイン・グラフィック/マンガ・アニメ関連の紙媒体・ウェブ、『マンガナイト』などで活動中。著書に『ビジュアルとキャッチで魅せるPOPの見本帳』、写真集『小雪の怒ってなどいない!!』 http://ayamata.jugem.jp/

「ジャケ萌え!」バックナンバー

「ジャケ萌え!」4冊目 【ベイブリッジ・スタジオに聞いてみました!】
 [黒木香編] [佐藤千恵編] [吉村勲編] [小林美樹代編] [伊波光司編]
「ジャケ萌え!」3冊目【Design Work of 関善之】
 『白暮のクロニクル』編 『重版出来!』編 『機動戦士ガンダムサンダーボルト』編 インタビュー編
「ジャケ萌え!」2冊目『わたしの宇宙』【chutte】【前編】【後編】
「ジャケ萌え!」1冊目『SEIKI -土田世紀 43年、18,000枚の生涯-』【cozfish/祖父江慎・鯉沼恵一】【前編】【後編】

今すぐ無料で試し読み!
しまなみ誰そ彼 1 鎌谷悠希

関連リンク
「ヒバナ」公式サイト
『しまなみ誰そ彼』紹介ページ

【初出:コミスン 2016.02.24】

しまなみ誰そ彼,ジャケ萌え,ナルティス,ヒバナ,連載,鎌谷悠希

Shogakukan Inc . All right reserved. No reproduction or republication with out written permission
掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。
topへ戻る