2015.06.08
ビッグスペリオール

「ジャケ萌え!」3冊目【Design Work of 関善之】『機動戦士ガンダム サンダーボルト』編

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読むだけじゃない、見て触って嬉しい単行本。なんだかカッコイイ! 可愛い、きれい、オシャレ!そんなグッとくる「マンガの装丁」の魅力をお届けする連載企画が>「ジャケ萌え!」です。
装丁を見るだけで内容が気になってしまう、そんなたまらない”見た目”をしたおススメ単行本をピックアップし、見どころや舞台裏などを紹介していきます!

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第5回目は”デザインワーク・オブ・関さん”最後の作品紹介として太田垣康男さんの『機動戦士ガンダム サンダーボルト』(原案:矢立肇 原案:富野由悠季)をご紹介します。戦艦やスペースコロニーの残骸が漂う通称”サンダーボルト宙域”で繰り広げられるジオン公国軍と地球連邦軍の熾烈な戦いを描いた同作。この装丁はまさか……!?

ドキュメント! 装丁が決まるまで ~機動戦士ガンダム サンダーボルト編~

[0]ロゴは「映画作品みたいに『サンダーボルト』!! ドーン!」

>>機動戦士ガンダム サンダーボルト編~こちらへ

まずは、設定資料と1~2話のネームを参考にタイトルロゴを考えてみたところ、スクリーンでも映えそうな壮大なスケールを予感させるビジュアルに”映画タイトル”のようなロゴが浮かびました。劇場でアヴァンが流れたあとに『サンダーボルト』!! ドーン! みたいな(笑)。
そこで、まずは『ダイ・ハード』『ブレードランナー』『トップガン』のような往年の名作映画タイトルをイメージしながら、さらにアイデアを膨らませていきます。

アシスタントさんにイメージを伝え、ロゴのラフを何パターンか出してもらい、そこから更に指示を出したり別の方向性を模索していきます。

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4案に数を絞り込んだ段階で、太田垣さんに提案を。「下から2番目!」と即決でしたね(嬉)。そこから決定したロゴをブラッシュアップしながら完成形にしていきます。

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[1]単行本は全2巻の予定だった!

企画が走り出した当初はA5判の全2巻で完結する予定で、2冊でいかに効果的に見せられるか打ち合わせしていました。黒いカバー用紙に黒い箔でガンダムの線画を刷り、タイトルロゴは1集ではガンダムの青、2集ではサイコ・ザクの赤はどうだろう、などと太田垣さん、編集の待永さんと3人でアイデアを進めていきます。

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その場でザックリ作ったA5判バージョンの大ラフ

ところが数日経って「営業部と編集部の話し合いの結果、B6判で発売します」と連絡が。B6判の方が定価を下げられて、部数が動き始めた時の爆発力も見込めるんですよね。最初の案はややマニア向けのイメージで考えていたので、ここで”より広い層に訴えるもの”にしようという方向性に変わりました。

[2]「正直、ガンプラは意識しています」

太田垣さんと私は同い年のガンダム直撃世代。その思い入れもあって、ガンプラのパッケージのような装丁は長年のファンに訴求力があるにではないかと考えました。ガンプラ好きの方も目を向けてくれそうですし、これまでガンダムを詳しく知らなかった方にも書店に”ガンプラのような本を発見した時の違和感”で興味を持ってもらえたら楽しいかなと(笑)。

[3]紙はガンプラのパッケージに近いものに

プラモデルの箱には表が白で裏がグレイの、いわゆるボール紙が使われていますよね。『サンダーボルト』の単行本でもそれに近いことが出来ないかとカバーを外した本体表紙をマリコートという似た質感のボール紙にしました。カバーは外箱のイメージで、本体表紙は中箱のイメージですね(笑)。

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「HG 1/144 フルアーマー・ガンダム(サンダーボルト版)」パッケージ。
手元になくても中箱の感触が手に残っているガンプラファンは多いはず!

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これは4集の時にスケジュール的に厳しいので、作中でカバーに合いそうなシーンを提案してもらえないかと編集さんから相談を受けた時のラフですね。太田垣さんのリデザインしたアッガイが超格好良かったのでアッガイ推しでラフを2案。どちらに決まったかは単行本4集でご確認ください(笑)。表4は前述にもありましたがガンプラの箱の横にあるプラモ解説を意識しています。

実は、太田垣さんの初コミックス『一平』もボラーレのデザイン。でも、当時は編集さんとのやりとりだけで、ご本人にはお会いできていませんでした。実際にお会いしたのは近年のこと。漫画家さん達と”ガンダムまつり”なんて言いながら、お互いTwitterにイラストを投稿して盛り上がったのがきっかけで飲んだりする機会が出来ましたね。『サンダーボルト』は私にとっても記念的な仕事になったと思います。いつかタイムマシンが出来たら中学時代の私に自慢しに行きたいですね(笑)。

単行本データ

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』(1~5集 以下続刊)太田垣康男
[判型]B6判(127×180mm)
[カバー] Nプレミアムステージ ピュアホワイト 157g 4C+特色1C
[本体表紙] マリコート270g 特色1C
[編集]待永 倫
[デザイナー] 関 善之(ボラーレ)

★ジャケ萌えMEMO★
『一平』の1巻は1993年に発売。「ガンダム」がつないだ縁によって、22年ぶりの共同作業となりました。その結果としての『サンダーボルト』のジャケット! これは萌えるしかありません。ガンプラ好きの人はぜひとも、改めて紙の手触りを確認してみてください。

→「ジャケ萌え!」3冊目【Design Work of 関善之】関さんインタビュー編

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(ライター:川俣綾加)

フリーライター、福岡出身。デザイン・グラフィック/マンガ・アニメ関連の紙媒体・ウェブ、『マンガナイト』などで活動中。著書に『ビジュアルとキャッチで魅せるPOPの見本帳』、写真集『小雪の怒ってなどいない!!』 http://ayamata.jugem.jp/

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【初出:コミスン 2015.06.08】

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